「投資下手」から卒業できない日本企業の弱み

不況のたびに「大損失計上」の歴史を振り返る

赤字転落となった2008年度決算について説明するトヨタ自動車の渡辺捷昭社長(当時)(撮影:梅谷秀司)

なぜ日本の企業経営者やビジネスリーダーたちは、国内外での設備投資や海外企業のM&A(合併・買収)などの投資行動が下手であるといえるのでしょうか。

それは、経済の大きな流れが読めないことから、タイミングの悪い投資による事業拡大を行ってしまい、不況と呼ばれる状況が訪れるたびに、巨額の損失を抱えてしまうというケースが後を絶たないからです。場合によっては、企業の存続までもが危うくなるケースも決して珍しくありません。

みなさんもご存知のとおり、世界経済はもちろん、各国の経済も好況と不況を繰り返しています。2016年現在の世界経済は米国の消費が底堅いこともあり、好況の部類に属しているといえます。

米国住宅バブル崩壊と金融危機で大打撃

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しかし、遅かれ早かれ、程度の差こそあれ、次の不況は必ずやって来ます。リーマン・ショック後の深刻な不況ではないにしても、世界経済は2020年までにある程度の不況に遭遇することになるでしょう。このままでは、不況という状況が訪れるたびに、多くの日本企業で再び何らかの損失が発生することが避けられないというわけです。

2000年以降を振り返ってみても、日本企業が投資に失敗して損失を被ったという例は枚挙にいとまがありません。

たとえば、2003年から2006年まで続いた米国の住宅バブル期の終盤期に、日本の輸出企業は事業や設備の拡大志向を強めていきました。国内外での生産設備増強や海外企業のM&Aなど強気の投資に踏み切ったのは、米国をはじめ世界全体で一層の需要拡大が見込めると判断してのことでした。

ところが、2007年から2008年にかけて、米国の住宅バブル崩壊とそれに伴う金融危機により企業の収益状況が一変し、それまでの拡大路線が裏目に出たかたちで、2008年度(2008年4月~2009年3月)の決算では、設備の減損などで巨額の特損計上が相次ぐようになります。とりわけ打撃が大きかったのが、日本経済の屋台骨を支えていた自動車メーカーと電機メーカーです。

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