「睡眠薬に頼る人」に伝えたい身体へのリスク

逆に不眠を呼び、最悪は認知症にもつながる

なかなか眠れない夜に服用している人も少なくないはずですが…(写真:マハロ / PIXTA)

「眠れない」「眠ったつもりでも疲れが取れていない」――。

そんな悩みを持ったビジネスパーソンは少なくありません。厚生労働省の「平成25年 国民健康・栄養調査」によると、男女ともに4割前後の人が睡眠の質に満足していないという調査結果もあります。

睡眠不足や不眠が続くと人間関係の悪化や事故、病気などのほか肥満やうつなどにつながりかねません。かといって、眠れないからとお酒に頼るのもおススメしません。微量のアルコールには心を興奮させる作用もあり、ある程度なら心身をリラックスさせますが、体内でアルコール分解が進むと、代謝物として二日酔いのもとになるアセトアルデヒドが生じ、睡眠を妨げます。眠りも浅くなってしまい、結果として疲れも取れません。

「それではよく眠れる方法はなんでしょうか?」

私たち医師はよくそのような相談を受けます。西洋医学ではまず、睡眠薬を処方します。

睡眠薬は確かにとても効果があります。かつては患者の耐性のほか、大量服用による自殺なども問題視されましたが、最近では医師が処方する医療用医薬品の睡眠薬だけでなく、一般用医薬品(大衆薬)の睡眠改善薬もあります。特に今まで睡眠薬使用経験のない方では非常に効果が出ます。

多くの睡眠薬には依存性がある

一方、睡眠薬の使用には注意が必要です。長期間使用しているうちに効かなくなり、そのために用量を増やしても、またある程度時間が経つと効かなくなる「いたちごっこ」のようなこともあるからです。

それで薬を変えてみたり、長短時間型/短時間型/長時間型など作用時間や、ベンゾジアゼピン系/非ベンゾジアゼピン系など作用機序の異なる薬を組み合わせることでなんとかそれなりの睡眠時間を保っている、という患者もしばしば見かけます。

これを私はあまり良くないと考えております。まずは依存性の問題です。多くの睡眠薬には依存性があります。身体的依存といい、繰り返し薬を摂取することで、効果が切れてきたときに脳が自動的に薬を欲します。急に薬を摂取しなくなると離脱症状と呼ばれる身体の症状が起こります。不眠、不安、イライラ、焦燥、頭痛、吐き気、抑うつなどです。

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