「青天井」の任天堂株価、どこまで上がるのか 「トランプ旋風」に6倍高の思惑も

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英国の欧州連合(EU)離脱ショックがいったん後退し、急反発した日本株だが、足元では調整一服感も出ている。日本株の上値の重さが意識されるなかで、任天堂の急騰ぶりに「この値動きに頼って収益を上げようという投資家も多い」(前出の国内証券トレーダー)という。

通常なら急騰後の反動安が警戒されるところだが、「材料があまりにも強烈。短期的な調整があっても、当面は上値模索が期待できる」(中堅証券)との声もあり、騰勢はしばらくは続くとの見方が多い。

過去の大相場

強気心理にあるのが、過去の値動きだ。同社株は上場以来、何度か大相場がある。

ゲームソフトの代表作「スーパーマリオブラザーズ」が発売された85年には、同年5月末から86年7月までに株価は3倍以上上昇。バブル期の1989年3月末から90年8月にかけては株価が5.8倍に急騰した。携帯型の「ゲームボーイ」の登場に加え、据え置き型ゲーム機「スーパーファミコン」の期待が高まった時期だった。

さらに据え置き型の「Wii」が発売された06年には、その前年の8月中旬から07年11月の間に、株価は約6.4倍に上昇。取引時間中の上場来高値7万3200円を付けたのはこの時だ。

仮に「ポケモンGO」の登場で、過去の大相場を体現した場合、ヒットが伝わる前となる7月7日終値(1万4935円)に対し最大で約6.4倍、単純計算で9万5584円まで上昇し、上場来高値を更新する計算になる。

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