日経平均は10年4月以来の1万1000円台 2日大幅続伸し終値で2年9カ月ぶりに高値更新

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30日の東京株式市場は2日続伸。日経平均株価の大引けで10年4月27日(1万1212円66銭)以来の水準となる1万1113円95銭(前日比247円23銭高)を付けた。TOPIXは同13.91ポイント高の934.67だった。東証1部の出来高は概算で31億2638万株、売買代金は1兆9778億円と活況を維持したが、前日の水準は下回った。

本日の東京市場は、前日の米国市場でNYダウが07年10月以来の高値を付けたことや、為替が対ドルで一時91円に乗せたことから、内需株、輸出関連株とも幅広く物色され、寄り付きからほぼ右肩上がりに1万1004円まで上昇。1万0990円の高値圏で前場取引を終了した。

昼のバスケット取引は279億円が成立し、「売り買い均衡」と伝えられた。アジア市場は総じて堅調。後場は前引けとほぼ同じ水準で始まり、1万1000円手前での小動きがしばらく続いた。しかし、先物に大口の買いが入ると一気に上げ幅を拡大。1万1050円近辺に駆け上がると、大引けにかけてもじりじり値を上げ、高値引けとなった。

業種別では、東証33業種中、32業種が上昇。不動産、倉庫が3%を超える上昇で、建設、証券、通信情報、石油が2%台の上げ。以下、陸運、サービス、鉄鋼が続いた。下げたのは電力・ガスの1業種で、幅も小さかった。

東証1部の値上がり銘柄数は全体の82.2%を占める1396銘柄。下げたのは12.7%に当たる216銘柄、変わらずは86銘柄。個別では、好業績観測のJR東海、関連して新幹線補修工事の前倒しで恩恵を受ける鉄建、東鉄工業が買われた。業績好調のヤフー、ソフトバンク、KDDIが高く、輸出関連のファナック、信越化学もしっかりだった。一方で、業績好調が織り込み済みのリンナイは下げ、業績悪化のアーネストワン、日立メディコが売られた。

市場には米国や世界景気への回復期待が広がり、またアベノミクスへの期待感から為替の円安予測が続いている。需給面でも外国人投資家の買いが続いている上に、個人投資家の買いが入って、個人投資家の売買シェアが3割にまで高まっているとされる。こうした状況を見て、一部には「持たざるリスク」を指摘する声も出てきているとされるが、ここからの動きが注目される。

中川 和彦 東洋経済 記者

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なかがわ かずひこ / Kazuhiko Nakagawa

不動産、建設などの業界を担当

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