今や日本人の食生活に欠かせなくなったカップ麺。店頭にはさまざまな種類の商品が並んでいるが、実際に最も売れているのは何か。全国のスーパーマーケットにおけるカップ麺の販売シェアランキングをまとめた。
5000万人規模の消費者購買情報を基にした全国標準データベース「TRUE DATA(R)」を使って算出した。調査期間は2015年6月~2016年5月。シェアは販売個数ベースとした。全国版のトップ100商品と、東日本・西日本の各トップ50商品のランキングをそれぞれ作成。対象期間内に2回以上購入した人が何人いるかを示すリピート率も併載した。
全国1位は日清食品のカップヌードル
全国1位に輝いたのは日清食品の「カップヌードル 77g」だ。カップ麺の定番中の定番といってもいい、赤いロゴの商品だ。シェアは4.50%と2位「マルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき 赤いきつねうどん 96g」(東洋水産、シェア3.37%)以下を圧倒する。
意外に思うのが「うどん・そば類」の強さ。日清カップヌードルのような単独ブランドではないものの、トップ10に両方合わせて4種類がランクインするほどの健闘ぶりだ。そして忘れてはならないのが「焼きそば」。5位につける「ペヤング ソースやきそば 120g」は一時製造・販売の全面休止となりネット上で話題になったことも記憶に新しい。日清食品と東洋水産が上位を席巻する中、まるか食品がここに食い込んでいるのも興味深い。カップ麺市場では、カップヌードル、うどん・そば、焼きそばという3強がトップ10を独占する形となった。
一方、購入個数における絶対王者カップヌードルもリピート率(40%)においてはトップではなく、「マルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき 赤いきつねうどん 96g」(42%)がナンバーワンだ。同じくうどんカテゴリーの「日清のどん兵衛 きつねうどん 西 95g」もリピート率は40%でカップヌードルと同率2位。うどんに対する日本人の親愛度(=リピート率)は注目に値する。
東日本と西日本にエリア分けしてランキングも作成した。目を引くのが東日本の1位は「マルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき 赤いきつねうどん 96g」(シェア5.44%)、西日本が「日清のどん兵衛 きつねうどん 西 95g」(同5.60%)と、ともにうどんカテゴリーの商品であるという事実だ。
つまり、全国は「カップヌードル」がトップながら、東・西に分けてみた場合は、仲良くカップうどんがトップを飾っているのだ。さらに見てみると、東日本では3位「マルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき 緑のたぬき天そば 東 101g」、6位「マルちゃん おそば屋さんの鴨だしそば 98g」、7位「日清のどん兵衛 きつねうどん 東 96g」、9位「日清のどん兵衛 天ぷらそば 東 100g」と関東風の味付けが目立つ。
同じく西日本でも1位の「日清のどん兵衛 きつねうどん 西 95g」、5位「長崎ちゃんぽん 93g」、7位「日清のどん兵衛 天ぷらそば 西 100g」、9位「マルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき 赤いきつねうどん西 96g」と、ハッキリと食の好みが分かれている。あらゆるものが均質化されたと思われがちな日本だが、食に関していえば地元の味に対する嗜好性は強いのかもしれない。
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