バーバリーと三陽商会、蜜月にくすぶる懸念 ライセンス契約は残り2年半、更新いまだ決まらず

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バーバリー(BURBERRY)。1856年英国生まれで、特徴のあるチェック柄が印象的な名門ファッションブランドの先行きをめぐる話題が、日本のアパレル業界で持ちきりになっている。震源は、百貨店を中心に展開する大手アパレル、三陽商会が表明したリストラ策だ。

業績は回復基調でも人員削減

三陽商会は1月25日、230人程度の希望退職者を募集すると発表した。同社社員(連結1740人、単体1699人、2012年9月末)の1割強となる大きなリストラで、創業来で初の出来事となる。

ユニクロなど低価格の衣料品専門店やユナイテッドアローズをはじめとしたセレクトショップの台頭で、この10年、業績が低迷してきた百貨店アパレル各社。三陽商会も例に洩れず、苦戦を強いられてきた。百貨店での販売不振に加え、在庫の値引き処分が拡大、09年12月期には52億円もの営業赤字に転落した。

ただ、翌10年12月期には、値引き販売等の抑制に取り組み営業黒字化。その後も不採算ブランドの整理や、浜松町駅前の賃貸ビルから自社ビルへ本社を移転で損益分岐点を下げ、前12年12月期には50億円程度まで営業利益を回復させたようだ。13年春には新ブランド「プリングル1815」なども立ち上げるなど、増収策も打ち出している。

その矢先での大規模な人員削減策に、業界内では三陽商会が立たされている厳しい立場を懸念する声が広がっている。それは「バーバリー」とのライセンス契約の更新だ。

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