「日本のゾンビ産業」、農業は世界一になれる 4年で輸出倍増の韓国農業に学べ

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これまで日本の政治は、選挙で農村票を目当てとして、農業を補助金漬けにし、産業として大きく弱体化させてしまいました。生産性や効率性だけがすべてとは言いませんが、努力を怠っても既得権で守られる今の状態を続けるのが、決して良いこととは思えません。やはり、がんばった人が報われる社会にしなければ、産業や経済を活性化させ、明るい未来を切り拓くことは難しいと思います。

農業は日本の潜在成長率を引き下げるゾンビ産業となってしまっています。国も農家も農業の再生に取り組まない限り、国民の税金はこのゾンビ産業のために湯水のように使われ続けることになってしまうのです。安部政権になっても、農業の再生に関しては何も新しい動きが見られないのは非常に憂慮すべきことでしょう。

日本の農産物は間違いなく世界のトップレベル

実は、日本の農産物は間違いなく世界でトップレベルにあります。日本の米や野菜、果物は美味しく、その品質も優れています。有名なフレンチやイタリアンの有名シェフからも、日本の野菜を賞賛する声が多く聞かれるほどなのです。

中国の富裕層に代表されるように、日本の安全で美味しい農産物を食べたいと希望する人々は、アジアの新興国を中心に広がりつつあります。日本の野菜を一度食べると、現地の野菜はもう食べられないと、現地の野菜に比べて価格が5倍も10倍もする日本の野菜を買っている人々が数多くいるのです。

これからのアジアでは、世界でいちばん富裕層と中間層が増えるので、日本の農産物に対する需要が右肩上がりで増え続けるのは間違いありません。日本の農業がこれを大きなチャンスととらえ、世界規模に市場を拡大するという意気込みを持つことはできないものでしょうか。日本の高品質な農産物であれば、アジアの富裕層や中間層はもちろんのこと、米国や欧州でも多くの顧客を獲得することができるでしょう。

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