朝日新聞のツイッター、中国で人気の理由 中国で「日本発」を売りにしてはいけない(下)

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日本人のネトウヨからの攻撃

逆に、日本人のネトウヨ(ネット右翼)からはたたかれているそうです。中国人が日本を批判する言葉でよく使われるのが「小日本」。これは「日本なんか国も小さいし、人も小さいし、肝っ玉も小さい」という意味が込められているのですが、昨年、民主党の細野豪志議員が発言した「石原さんが支那と呼ぶのも間違いだが、中国側も日本を蔑称である『小日本」と呼ぶのはやめてほしい」という趣旨のコメントに便乗して、それじゃ「小鬼子」にしようと朝日新聞がツイートしました。

「鬼子」も日本を侮辱する言葉ではありますが、「小鬼」という言葉は一般的に子供に対して呼びかける言葉で、悪いニュアンスはまったくありません。「小鬼子」は造語ですが、ほかの言葉の持つ悪いイメージをぐっと和らげることができ、朝日新聞のちょっとした機転でした。それを日本人のネトウヨが見つけて、「朝日新聞は中国で日本を差別用語で呼べとシュプレヒコールを上げている!」と騒ぎ立て、日本のネット上では大炎上してしまいました。しかし、中国では1回も炎上しないという不思議さ……。

日本では、このように匿名性の自由な言論風土の下で炎上リスクも高く、日本企業は「How」においても「日本品質」のコンプライアンスを適用する傾向がありますが、私は朝日新聞のように中国では中国式のコミュニケーション方法を学ぶべきだと思います。そのうえで、自分たちの「日本品質」の価値を中国式で伝えていく。これが中国での成功に必要な基本思想だと思います。

(構成:上田真緒)

金田 修 游仁堂(Yo-ren Limited)CEO

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かねだ おさむ / Osamu Kaneda

1974年神奈川県生まれ。97年、東京大学経済学部卒業。ロチェスター大学経営大学院修了。大蔵省(現財務省)を経て2001年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。07年、同社日本支社最年少パートナーに就任。コンサルタントとして、アジア各国の大手アパレル企業における全社成長戦略、中国生産体制再構築、店舗ペレーション改革に携わる。アパレル業以外にも、小売業、金融業など数多くの企業の成長戦略や経営人材育成プログラムの設計、海外提携・買収戦略を指導する。11年に游仁堂を設立。

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