三菱自「軽生産再開」に地元企業が冷たい理由

サプライヤーが学んだ"過去の教訓"とは

三菱自動車の水島製作所では主に軽自動車を生産している。7月4日、2か月半ぶりに生産を再開した(筆者撮影)

「万が一、水島工業地帯周辺のハローワークに大行列ができていると思われているなら、それは事実と異なる」――三菱自動車の軽自動車を生産する水島製作所(倉敷市)がある岡山県労働局の担当者は、記者の取材にそう答える。

三菱自動車は7月4日、水島製作所で軽自動車の生産を再開した。同社では今年4月に軽自動車4車種で燃費不正が発覚してから、販売を休止。2か月半にわたって生産ラインが休止に追い込まれた。

燃費不正が地元経済や雇用を直撃

水島製作所は1943年に三菱重工業の水島航空機製作所として発足。1946年にオート三輪の生産を開始した歴史ある工場だ(筆者撮影)

不正の影響を受けたのはユーザーだけでなく、水島製作所の従業員約3300人も同じこと。このうち、軽自動車の生産やエンジンなど関連部品の生産ラインで働く従業員約1300人は出勤できない、一時帰休状態が続いた。

自動車は1台当たり2万~3万点の部品を組み立てて生産される。そのため、自動車メーカーの工場周辺には数多くのサプライヤーや下請け企業を抱えている。岡山県の調査では、三菱自動車向け部品工場を構える企業は県内に34社、従業員数9445人に達している。

こうしたサプライヤーにとっても、4月の軽自動車の燃費不正は寝耳に水の事態だった。水島製作所の軽自動車の生産ラインが休止に追い込まれたことで、周辺サプライヤーは金融機関からの特別融資を利用したり、厚生労働省の実施する雇用調整助成金や、緊急に県や市が設置した助成金を申請したりと対応に追われた。

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