日本人が知らない「男の更年期」の恐怖 「うつかな?」と思ったらコレを疑え!

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――最近、ビジネスマンに男性更年期障害が急増している原因は何なのでしょうか?

競争の激化、成果主義の導入などにより、企業社会がより高ストレス化してきたことも背景にあるのではないでしょうか。男性ホルモン・テストステロンは、強いストレスがあると作られません。ストレスにより、テストステロンが低下してしまうのです。

――男性更年期は、具体的にはどのような症状なのでしょうか?

精神症状としては、健康感の減少、不安、イライラ、うつ、不眠、集中力の低下、記憶力の低下、性欲の減少といったことが挙げられます。40代以上の方は、何かしら心当たりがあるのではないでしょうか。

また、身体症状では、筋力低下・筋肉痛、疲労、ほてり・発汗、頭痛・めまい・耳鳴り、性機能低下、頻尿、いわゆる「朝立ち」の消失といったことが挙げられます。

また、テストステロンは、メタボや糖尿病など生活習慣病とも大きな関係があり、テストステロンが不足すると、生活習慣病の発症リスクを上げるともいわれています。

ビジネスと男性ホルモンの関係

――集中力や記憶力とも関係するのですから、テストステロンは、仕事力、ビジネス能力といったこととも大きな関係があるようですね。

テストステロンの不足は、やる気の低下や無気力感などをもたらしますから、しっかり仕事をするには、テストステロンがしっかり出ていることが不可欠でしょう。経営者やビジネスパーソンにとって重要な、判断力、決断力の向上にも大きな影響を及ぼしますから、テストステロンが多いことが「できる人」の条件ともいえます。

しかも、そうした能力面ばかりでなく、テストステロンは、社会においてどうふるまうかといった「男の生き方」も深くかかわっています。

テストステロンの高い人は、チャレンジ精神、冒険など自分の世界を広げる意欲の強い人です。これは、企業家精神や、営業での新規開拓力といったことにつながるでしょう。また、テストステロンの高い人は、仲間と社会との協調を大切にする、健全な競争心の強い人でもあります。自分が不利益をこうむっても公平性を重視するといったこともテストステロンのなせるワザです。

テストステロンが高い人は、そういった意味で、よきリーダシップを発揮できる人が多いのです。面白いことに、どこの会社でも、テストステロンが一番高いのは社長であることが多いようです。

――テストステロンを仕事に活かす方法はありますでしょうか?

テストステロンは夜寝ている間につくられます。したがって、朝がいちばん高くて、夕方になるにつれ、減っていきます。ですから、重要な決断をするのには、テストステロンが上がって決断力・判断力が高まっている朝がお勧めです。逆に夜は、大事な決断をするのは避けたほうがいいのです。

また、テストステロンはシナプスの増加を促し、記憶力の向上に結びつくという発表もあります。そうしたことからも、朝をビジネスや学習に活用することは有効です。朝型生活や朝活を勧めるビジネス書が多いことも、知らないうちにテストステロン効果を活用しているのかもしれませんね。

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