思考のスピードが速い人は「型」で考えている 思いつきで「もぐら叩き」するのは時間のロス

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しかし、③のイラスト発注を、ごっそり忘れていた、という場合、そもそも納期に間に合わないという事態に発展してしまいます。時間と資源は限られています。最小の時間と資源で、最大の成果を生み出すために、MECEとピラミッド構造は必須のフレームワークです。

課題を解決するフレームワーク

仕事を最速にするフレームワークの3つ目は、「課題解決」のフレームワークです。どんな仕事でも、問題・課題は発生します。仕事とは、課題解決そのものであるとも言えます。

そのために、私は3つの基本的なフレームワークを組み合わせて、「課題解決のフレームワーク」として使っています。何か問題・課題が発生したら、すぐにこのフレームワークを使って整理し、真因を追究し、問題・課題解決のアクションを決めています。では、3つの基本フレームワークを紹介しましょう。

1つ目は、「空・雨・傘」。「空を見たら厚い雲がかかっていた。雨が降りそうだから、傘を持って行こう」。課題解決や意思決定をするときに使うフレームワークです。厚い雲がかかっている空は、状況の事実認識で、雨が降りそうというのは、その事実に対する解釈や予測です。そして、その解釈・予測に基づいて、傘を持って行こうというアクションをとります。空=事象、雨=課題、傘=解決策と読み替えて使っています。

2つ目は、「ビジネスシステム」。ビジネスの流れを図示して把握し、競合他社との比較分析を行うフレームワークでは、この枠組みを利用します。

どの仕事も何かの大きな流れの一部です。その仕事の流れをフロー図にします。仕事のフローを図解することで、論点が明確になり、注力すべきポイントが絞りやすくなります。また、このフローの範囲内でMECEにしておけば致命的な考慮モレはなくなります。

実際に活用するには、先ほどの「空・雨・傘」のフレームワークと組み合わせます。上にフロー図を書き、下に空・雨・傘のマトリクスを書くと、課題解決のための枠組みができあがります。そして、その枠の中に発生している事象(空)から書いていきます。

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