ファミマ、"伊藤忠"色一段と濃く 11年ぶりトップ交代、中山氏が落下傘で就任

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社長交代会見で握手するファミリーマートの上田準二社長(左)と中山勇・次期社長

ファミリーマートは現在、国内・海外に2万1750店(11月30日時点)を数えるが、今後は20年までに4万店に拡大することを目指す。

その中心となるのが現在、韓国、台湾、中国などアジアを中心に1万2549店を展開する海外。直近では10月にインドネシアに初出店。13年2月にはフィリピンへの出店を計画するなど、海外展開を加速している。

上田氏は中山新社長について「海外の事情に詳しく、海外経験も長い。商社の中でいろいろなネットワークを持っている」と評価する。当の中山新社長も、「コンビニはその土地に密接に結び付いた業態。その土地を良く知っているパートナーとともに事業を行っていく」と、みずからの経験やノウハウを今後の事業拡大に生かしていく考えを強調した。

国内コンビニの弱点は既存店

一方、国内もセブン-イレブン、ローソンという上位2社を追いかけていかなければならない。中山新社長は「ファミリーマートの弱点は、既存店の伸び率が同業他社にくらべてやや弱いこと。(12年10月に投入した)新しいPB、ファミリーマートコレクション(の展開)を推進するのが大変重要」との見解を示した。

筆頭株主ながら親会社ではない伊藤忠から、いわば“落下傘”方式でトップを招き入れる。客観的には、伊藤忠のファミマにおける影響力が強いことを示しているように見える。加えて、今後のファミマが重視する海外展開を加速する上では、伊藤忠の力を借りなければならないのかもしれない。

平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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