日本銀行は民意に応えられるか?

市場動向を読む(為替)

「自民党の安倍総裁からも物価目標に関して検討の要請をいただいた」。日本銀行の白川方明総裁は物価安定の目途を再考し、1月の決定会合で報告するように指示したことの理由として、こう語った。政治圧力を受けたとの報道も見られた。

白川総裁はかねてより非伝統的金融政策に消極的な見解を示し、その理由の一つとして「民主主義のルールに反するからだ」と語ってきた。

白川総裁曰く、非伝統的金融政策が、民主主義のルールに反する理由は、1)民間の資源配分に影響を及ぼしたり、2)日銀が損失を被った場合には国庫納付金が減ったり、逆に国からの資本増強を仰がなければならなくなるかもしれないからだ。

これらは財政政策の領域に踏み込むものだ。本来なら民主主義のルールに基づき、選挙で選ばれた議員による国会決議を経て、財政政策として行われるべきで、中央銀行の一存で金融政策として行われるべきではない、というのが白川総裁の主張であった。

貨幣錯覚を持つ国民は、安倍総裁を支持

だが、今回の総選挙では、自民党が円高デフレ問題を争点として浮上させ、民意がそれに反応し、歴史的な自民党の圧勝に繋がった。もちろん、日銀もデフレで良いと思ってきた訳ではなかろうが、これまで、「デフレや円高で実質購買力が高まる」などといった発言が日銀関係者から聞かれることも少なくなかった。

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