心が強い人は「ムダな考え」を消している 要らない「妄想」をなくす方法教えます

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だから、「こういう状況の時には、こう考える」という、「正しい考え方のフォーマット(ひな形)」を仕入れていくとよいのです。

ちなみに、「考える」とは、「映像」(イメージ)か「言葉」でできています。だから、仕事や人間関係を正しく考えられる(向き合える)ようにするには、まず「正しい言葉」が思い浮かぶようにします。たとえば、

「まずは自分の反応を確認しよう」――特に人がおちいりやすい「ムダな反応」、つまり、怒り・貪欲(求めすぎる心)・妄想・慢(プライド)・疑い(不安)などが、自分の心にあるかを、よく観察します。いさぎよく「ある」と認めたほうが、前に進めます。
その上で、すかさず次のように考えるクセをつけます。
「大事なのは、どう向き合うかだ」
「方法は、きっとある」(だからなんとかなる)

 

こうした考え方が、イザというときに思い浮かぶように練習するのです。もし「つい反応」する代わりに、「正しい考え方」が瞬時に思い浮かぶようになれば、発想が変わったということ。心が強くなったということです。

なにごとも「これも修行のうち」と思える自分をめざせ

毎日生きていれば、イヤなこと、ヘコむこと、ツライことは、必ず起こります。問題は、どう向き合うか。どう考えるか――ムダな反応に心奪われず、何事も「きっと方法はある」と、前向きに受け止められる自分をめざそうではありませんか。

そのために、考え方を変える毎日の「プチ修行」、つまり「ちょっとした練習」を始めましょう。今回紹介した「言葉抜き」など、ムダな考えに歯止めをかける練習を、時間の合間にやってみるのです。

もし「ムダな考えをしない習慣」が身に付いたら――想像するだけで、人生変わるかも?と思えてきませんか。ぜひ実践してみてください。

草薙 龍瞬 僧侶、興道の里代表

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くさなぎ りゅうしゅん

1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。政策シンクタンクなどで働きながら「生き方」を探求しつづけ、インド仏教指導僧・佐々井秀嶺師のもとで得度出家。ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日 本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。毎年夏の全国行脚や、経典の現代語訳の朗読 と法話を採り入れた葬儀・法事を行うなど、「もっと人の幸福に役立つ合理的な仏教」を展開中。著書に『これも修行のうち。』『反応しない練習』(KADOKAWA)、『大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ』(海竜社)などがある。 

著者ブログ

感想・お便り:koudounosato@gmail.com

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