「女性ホルモン」の知識は、男性にも不可欠だ 経済活性化のカギはホルモンケアにあった

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「実は、昔の女性と現代の女性は、生理の回数が10倍も違うのです。出産年齢が早く、子どもをたくさん産んでいた昔の女性は、授乳期も生理が止まるため、生涯の生理の回数は約50回。現代は少子化、あるいは出産をしない女性が多く、生涯の生理の回数は450回から500回といわれています。ライフスタイルの多様化した現代女性が、月経に関するトラブルが多発しているのは当然ともいえます。

月経が1年間ない状態を閉経と言いますが、だいたい50歳くらい。その前後の45歳から55歳を更年期の時期としていますが、これも個人差があります。エストロゲンの減少により、ほてり、のぼせ、うつ、不眠、イライラ、生殖器の萎縮、尿漏れ、動脈消化、骨粗鬆症、乾燥などが起きます。肩こりや頭痛、腰痛、むくみも更年期の症状で、その数200~300種類と言われています。頑張って仕事をしたいのに、不調が原因でパフォーマンスが下がってしまうのは本当に残念だし、悔しいですよね」

セルフケアを実践し体を整える

「しっかりケアすればホルモンバランスをよりよい状態で保てます。特別なことをするわけではありません。規則正しい生活と運動習慣、そしてバランスの良い食事。ホルモンケアに限らず、病気の予防でも同じことを言われると思いますが、結局は体を整えることが重要なのです。

そして、基礎体温を測ることをお勧めします。『このむくみはお酒が原因ではない』『ヒステリックなのは本来の自分じゃない、ホルモンのせい』と思うと気持ちもラクになります。『あの時のイライラは、やっぱりPMSだった』『先週、甘いものがどうしてもやめられなかったのはホルモンのせいだった』など、振り返って確認することもできます。早いうちから自分のサイクルを知り、生活習慣を見直すなどのセルフケアを実践することで、上手にそのバランス変化=更年期を乗り切ることができるでしょう」

女性にとって役立つ内容であるだけでなく、参加した男性社員からも「知らないことだらけでした!」「女性の体は月単位で変化があり、感情面の起伏も男性とは違うんですね」「娘がいるのでとても参考になった」「今後、気づいた時にコミュニケーションできます」という声が上がった。月経の仕組み、女性ホルモンの減少グラフ、影響する疾病など、女性の健康について男性社員も意識を共有をすることは、ダイバーシティが進む社会に向けて望ましい一歩になる。

島田 ゆかり ライター

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しまだゆかり / yukari shimada

月刊誌・企業広報誌などの編集を経て、フリーランスのライターに。寺社好きが高じ、お寺業界の様々なトレンド、裏事情などを取材、発信。ほか、女性のライフスタイルなどの企画・編集・執筆も手がける。

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