舛添都知事「辞職まっしぐら」シナリオに暗雲

自民党が「逃げ道」を用意し始めたワケ

6月13日、都議会総務委員会集中審議で質問を聞く舛添要一都知事(写真:日刊スポーツ/アフロ)

前代未聞の驚愕すべきことが起こった。6月13日に開かれた東京都議会総務委員会集中審議で、舛添要一東京都知事が給与の全額カットを申し入れた上、今年8月にブラジルのリオデジャネイロで開かれる第31回オリンピック競技大会まで不信任案可決を猶予するよう求めたのである。

自民党も「反舛添」となったことで、舛添知事の逃げ道は完全にふさがれた、と前回の記事(舛添知事、逃げ道ふさがれ辞職へまっしぐら)に記した。しかし事態はそれほど単純には進まなかった。自民党とその背後にある首相官邸が、舛添知事の延命をひそかに支持し始めているようなのだ。

自民党は知事を本気で追及せず

「舛添知事には自ら辞職する意思がないことが明らかになった。さらに解散権をちらつかせ、都議会を牽制している。とても許せない」。東京維新の会の柳ヶ瀬裕文都議は憤る。ひとり会派のため今回の定例会では質問の機会を得ることができなかった柳ヶ瀬都議は、5月13日に知事室に辞職勧告書を提出済みだ。

一方で6月13日の集中審議では、各政党から舛添知事への厳しい質問が相次いだ。都議会公明党と民進党都議団は辞職を求め、都議会民進党は「取るべき手段を取る」と宣言。日本共産党東京都議会議員団は百条委員会設置を求めている。

ただ東京都議会自民党から質問に立った鈴木隆道都議は、舛添知事に辞職を求めず、不信任案や百条委員会についても言及しなかった。鈴木都議の質問は、千葉県木更津のホテルで会ったとされる出版社社長の存在や公用車を使って家族でN響のコンサートに行ったかどうかなど、すでにマスコミで取り上げられたものばかり。独自の深い検証に基づくものでもなければ、新たな論点もなかったのである。

「自民党の姿勢がわからない。知事の責任を本気で追及するのかしないのか、情報が日々に変わって伝わってくる」。野党のある都議は、辟易した様子でこう話した。集中審議は事前通告なしの一問一答方式で、知事の弱点を突き追い込むことができる格好のチャンスなのに、自民党はそれを生かし切れなかったからだ。

その“迷走ぶり”は、友党の公明党をも困惑させてもいた。

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