熊本地震で被災した「南阿蘇鉄道」は蘇るか

象徴のアーチ橋も損傷、全線復旧に30億円超

雄大な風景の「立野橋梁」を渡る南阿蘇鉄道のトロッコ列車。この橋梁も地震で被災している(筆者撮影)

4月16日未明に発生した熊本地震は、第三セクター鉄道「南阿蘇鉄道」にも深刻な被害を及ぼした。特にJR豊肥本線と接続する立野駅と長陽駅の間は崖崩れなどによる線路崩壊をはじめ、トンネルの内部や沿線随一のビューポイントである雄大なアーチ橋「第一白川橋梁」などの損傷が大きく、全線復旧には少なくとも1年以上はかかり、復旧費用は第一白川橋梁を補修した場合が30億円、架け替えれば50億円に膨らむといわれ、復興への道のりは厳しい。

南阿蘇鉄道は旧国鉄の特定地方交通線(赤字路線)であった高森線を、1986年に第三セクターとして引き継ぎ開業した路線。豊肥本線立野駅から高森駅までの17.7kmを結ぶローカル線で、ほとんどが阿蘇山のカルデラの中を走り、車窓には阿蘇山をはじめ外輪山の雄大な景色が展開している。

南阿蘇のカルデラを走る

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第一白川橋梁を渡る列車(筆者撮影)

この鉄道にアプローチするJR立野駅は三段スイッチバックにより、列車は阿蘇外輪山を豪快に越えてカルデラに至り、南阿蘇鉄道はその外輪山の「裂け目」にあたる深い谷に架かる高さ62mという日本初の鉄道用鋼鉄アーチ橋、第一白川橋梁を渡って南郷谷といわれる南阿蘇のカルデラを走る。

今回の地震の被害が大きかったのはこの周辺であり、JR豊肥線立野~赤水間では線路に土砂が流入するなど大きな被害を受けたほか、道路では外輪山の崩壊による大規模な山崩れで阿蘇大橋が崩落した。さらに熊本県知事が「立野地区の集団移転もありえる」と発言したことも、南阿蘇鉄道の玄関口である立野の現状を思う時、復旧への厳しさを感じさせるものだ。

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