海外での「子どもの学校選び」はココが肝心 どこにする!?日本人学校、インター、現地校

拡大
縮小

また日本人学校の生徒はほぼ全員が駐在員子女だ。そのためか、いろいろな意味で恵まれ、落ち着いた子が多く、安心した学習環境の中で過ごすことができる。生徒全員が転校生のため、新しく入ってきた子を温かく迎え入れる雰囲気が整っている。送別会も毎月のようにあるが、ジメジメした雰囲気はなく「また日本で会おうね」がごあいさつである。

学校選びの際、親の関心のひとつに「いじめ」の問題がある。日本人学校にいじめがないとは言えないが、発覚時の対応が非常に速い。これは、親が学校にかかわる機会が日本以上に多いという理由によるところが多い。

日本人学校のデメリットは、その国の言語や英語に触れる機会がどうしても少なくなってしまう点である。「せっかく海外にいるのにもったいない」と周りから言われるケースは少なくないようだが、安心して過ごせる環境であることは間違いない。

ところで日本人学校は無料ではない。通常60万~70万の学費がかかる。中でもインドのムンバイ日本人学校の授業料は200万円を超えるというから驚きだ。駐在員の場合、この費用のいくらかを会社が負担してくれるケースは多い。

その国のカリキュラムで学ぶ公立・私立の現地校

次に現地校。その国や地域にある学校で、その国の教育カリキュラムによって学習が進められる。公立校の場合、近くに住むお友達ができやすく、放課後や週末の行き来はインターに比べると盛んである。また子どもの出入りの少ない現地校の場合、転校生(しかも外国人)の存在が珍しく、何かと世話を焼いてくれたり「私がこの子にいろいろ教える係になる!」と立候補してくれる子がいるなど、アットホームな側面もある。

裕福な家庭が多く住む地域は学校の教育環境や教育レベルが高い。地域住民が学校を支え、子どもたちを育てているという自負がある。また日本ではあまりない光景だが、国に対して忠誠を誓う機会が案外多い。朝は校庭の国旗に向かって国家斉唱をしたり、オリンピックやワールドカップの開催時にはみんなで自国の選手の応援をしたりする。

北米の現地校にはESLのある学校が多い。ESLとは「English as a Second Language」の略。英語を母国語としない子どものためのクラスで、在籍する日本人生徒の数や滞在年数、先生と生徒数との割合といった内容を見ることが学校選択に役立つ。また日本人の多いエリアの現地校の場合、日本人生徒の割合が非常に高く、学内に日本人PTAもあるようだ。私立の現地校に興味を持たれる家庭も多いだろう。私立校の場合、ESLがない、宗教色が強い、英語ができない子は受け入れないなど、公立校とは色合いが異なるため、入るには入念な準備と計画が必要である。

次ページ一口にインターと言っても
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT