浜松のウナギ養殖はJR東海道線がきっかけだ

養殖池からメガソーラー、新幹線で見る変遷

浜名湖を渡る新幹線。運が良ければ「ドクターイエロー」が見られることも(写真:Nozomi /PIXTA)

浜松駅を過ぎた列車は、貨物駅の西浜松駅、新幹線の車両工場であるJR浜松工場を過ぎ、浜名湖に近づく。線路周辺から民家が少なくなり、空き地や池が増えてきた。

この辺りは、ここ数十年で景色がめまぐるしく変わった地域だ。空き地や池は、どちらもかつての養鰻池(ようまんいけ)。古くから浜名湖の名物である、ウナギを養殖する池だ。1970年代頃までは、浜名湖周辺の東海道新幹線沿線には無数の養鰻池があった。

ウナギ養殖の条件が揃った浜名湖

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浜名湖でウナギの養殖が始まったのは、今から100年あまり前のことだ。1897(明治30)年、東京でウナギとすっぽんの養殖を研究していた服部倉治郎という人物が、東海道本線の車窓から浜名湖を眺めていて、「ここはウナギの養殖に最適な場所に違いない」と直感。3年後の1900(明治33)年、浜名湖畔に養鰻池を作ったのが始まりだ。

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2009年撮影の養鰻池とビニールハウス。品質と生産効率を両立するため夏は露地池を使用する業者が多かった(筆者撮影)

浜名湖周辺には、「日照時間が長く温暖な気候である」「広大で平坦な土地がある」「ミネラル豊富な地下水に恵まれている」「ウナギの稚魚や餌が豊富に採れる」という、ウナギの養殖に適した4つの条件が揃っていた。さらに、浜名湖は東京と大阪の中間点にある。東海道本線が早くから整備され、輸送体制が整っていたことも大きかった。

東海道新幹線は、その東海道本線に寄り添うようにして浜名湖を通過する。「新幹線の車窓から眺める養鰻池」は、「浜名湖のウナギ」のルーツそのものだったと言える。

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