「プロレスブーム」が再来した本当の理由

誰でも受け入れる土壌は企業社会と重なる

なぜプロレスブームが再来したのかを三田佐代子氏に聞く
東洋経済オンラインに集いし労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である!
私はプロレスが大好きな人材である。学生時代に力を入れたことは、学生プロレスだ。体を張って、日々「コノヤロー」と叫び続けた。人生で大切なことはすべてプロレスから学んだ。いまだにプロレスラーを目指し、筋トレと日焼けに励んでいる。
そんなプロレス者の私が最近、出会ってしまった良著が『プロレスという生き方 平成のリングの主役たち』(三田佐代子 中央公論新社)である。なぜプロレスブームが再来したのか、プロレスの魅力とは何かについて、最近ファンになった人から、私のようなカルトな、いやコアなファンまで楽しめる。
20年間にわたりプロレス専門チャンネルでキャスターを務める著者の三田佐代子氏と60分1本勝負の対談を行った。無駄に熱い時間をお楽しみいただきたい。

社会の縮図としてのプロレス

この連載の過去記事はこちら

常見 陽平(以下、常見):この本は、サラリーマン必読の本です。プロレスって会社と社会の縮図だと思うんですよ。働いていると、さまざまなドラマに巻き込まれます。出世争いや左遷といった人間模様、なんのためにこれをやっているんだと空しくなる瞬間、反則攻撃……。

政界だって、毎日がプロレスですよ。以前、政治家とテレビの討論番組に生出演した時も、番組での白熱とした議論と、CM中と控え室での和気あいあいとした雰囲気のギャップを見て、人生考えました。世の中のそういうたぎる闘いや矛盾がプロレスには凝縮されているなと思うんです。本を読んで改めて思いました。

三田 佐代子(以下、三田):しかも、普通の会社じゃ無理ですが、プロレスラーだったらその悔しさを持ってリング上で上司を殴ったりできますよね(笑)。普通の会社では大問題になりますが、プロレスはお客さんから拍手喝采されます。リングの上では、人間が体も感情もむき出しにして戦っています。自分ができないことを彼らがリング上で表現してくれて、それを四方から見ることができます。だからこそ、彼らに自分を重ね、熱狂できるのでしょう。

常見:「週刊ファイト」の編集長だった井上義啓さんの「プロレスは底が丸見えの底なし沼」という名言を本でも引用されていますが、本当にそのとおりですよね。

それにしても、プロレス専門チャンネルの「FIGHTING TV サムライ」が1996年に開局してから、三田さんはずっとキャスターとして関わられていますが、1996年から2016年までの20年間はプロレスにとって激動の時代でしたよね。

三田:格闘技にプロレスが呑まれ、メジャー団体の経営が揺れ、インディーズの活躍が目立ち、そして今のプロレスブームへと続いていく。プロレス凋落から、みんなで努力して上がってきた、そういう20年だったと思います。

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