日経平均1万6500円割れ、円高が重し 売買代金は連日で「今年最低」を記録

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 5月24日、東京株式市場で日経平均は続落。1ドル109円台前半へと円高に振れた為替が重しとなり、主力輸出株を中心に売り優勢だった。写真は都内で昨年10月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 24日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落。1ドル109円台前半へと円高に振れた為替が重しとなり、主力輸出株を中心に売り優勢だった。もっとも26─27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控え主要な投資家は様子見姿勢を強め、東証1部の売買代金は1兆6658億円と、連日で今年最低を更新した。

日中には円高進行にいったん歯止めが掛かり、日経平均が下げ渋る場面もあったが、戻りは限られた。日経平均の日中値幅(高値と安値の差)は133円67銭と今年に入って3番目に小幅な値動きだった。トヨタ<7203.T>やパナソニック<6752.T>などの外需関連株が軟調に推移したほか、鉄鋼や非鉄金属、機械、海運など景気敏感株の下げも目立った。

萩生田光一官房副長官がロイターとのインタビューで、消費増税の時期について「特別な事態が起きない限り、予定通りやる方が国際社会の信頼を得られる」と述べたほか、安倍晋三首相と会談した公明党の山口那津男代表が消費増税について、首相はリーマン・ショックや大震災のようなことがなければ予定通り実施するとの考えを示したと発言したが、株式市場の反応は乏しかった。

市場では「消費増税の可否についてはどちらとも判断が付きにくく、消化難となっている。伊勢志摩サミット後に出されるとみられる政策は複合的なものが想定され、見極めが必要だ。一方、海外では米利上げ観測に伴うマネーフローの変化が気掛かりとなり、どちらかといえば日本株は弱気サイドに振れやすい」(ちばぎんアセットマネジメント調査部長の奥村義弘氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、カルソニックカンセイ<7248.T>が続落。日産自動車<7201.T>が傘下である同社の全株式の売却を検討していると報じられた。買収先として、資金力のある欧米の投資ファンドや海外の車部品大手などと伝わったが、先行きに対する不透明感から売りが優勢となった。

半面、リズム時計工業<7769.T>が大幅高。23日に発表した自社株買いと自己株式の消却を材料視した。トヨタに対する第三者割当増資を決議したと発表したフタバ産業<7241.T>は反発した。

東証1部騰落数は、値上がり529銘柄に対し、値下がりが1272銘柄、変わらずが152銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      16498.76 -155.84

寄り付き    16605.04

安値/高値   16471.37─16605.04

 

TOPIX<.TOPX>

終値      1326.5 -12.18

寄り付き    1334.11

安値/高値   1324.49─1334.19

 

東証出来高(万株) 162783

東証売買代金(億円) 16658.93

 

 

(杉山容俊)

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