化粧品の口コミサイト、なぜ人気に? 若い女性を惹きつけるアットコスメ
気になる化粧品は、まずネットで口コミの評価をチェック――。
女性の新しい消費行動を生み出す立役者となったのが、化粧品の口コミサイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルだ。
1999年の開設時からアットコスメの利用者数は右肩上がりに拡大。今年8月には累計の口コミ数が1000万件を突破し、いまや20~30代女性の3人に1人が日常的に利用するサイトとなった。
収益柱は化粧品メーカーからの広告収入
収益柱はアットコスメに掲載する化粧品メーカーからの広告収入だ。直近の2012年6月期には25億円を稼いだ。ほかにも化粧品のネット通販や実店舗の運営を手掛けており、全体の売上高は44億円。創業以来、増収増益を続ける。
アットコスメで情報を閲覧できる商品は20万点にのぼる。サイトのトップページではマスカラ、ファンデーション、シャンプーなどカテゴリーの一覧が見られるほか、「肌悩みQ&A」や「秋冬の新色大図鑑」など美容に関する特集も満載だ。どのページでも、百貨店でしか購入できない高級ブランドからドラッグストアで手に入る低価格品まで、あらゆる価格帯の商品が紹介されている。
こうした口コミサイトの普及は、消費者が化粧品を購入するパターンを大きく変容させるきっかけとなった。口コミを使って消費者自らが情報を発信し、ブランドの枠を超えた商品情報が容易に手に入るようになったことで、百貨店などの店頭で手厚いカウンセリングを受ける必要がなくなった。消費者はわざわざ百貨店に出向くことなく、ネット通販やドラッグストアで気軽に化粧品を買えるようになった。
消費者の離脱を食い止めようと、伊勢丹や高島屋など百貨店も必死だ。従来のブランド別の売り場とは別に、シャネル、資生堂、ランコムなどさまざまなブランドをカテゴリー別に編集した売り場の展開を始め、新たな顧客ニーズに対応しようと奮闘する。