蜷川幸雄の「怒り」が数々の名優を生んだ理由

「蜷川劇団」に所属する魅力がもたらしたもの

「口より手より、モノが飛んできた」という蜷川幸雄さんの「俳優育成力」に迫ります(写真:jun.SU. / PIXTA)

前回は、日本テレビ系で放送中のドラマ「ゆとりですがなにか」をもとに、ゆとり世代と呼ばれる若者を部下に持ち、日々世代間ギャップに悩む皆さんに、良好なコミュニケーションのヒントをお伝えしました。

今回は、先日多くのファン・役者に惜しまれつつ亡くなった演出家・蜷川幸雄さんの「育成力」を取り上げてみたいと思います。「灰皿を投げる」など厳しい演技指導で有名でありながらも、老若男女を問わず、多くの役者から慕われ続けた背景にあった「伝わる」叱り方を、アンガーマネジメントの切り口で検討してみます。

「口より手より先に、モノが飛んでくる」 

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松本幸四郎、北大路欣也、大竹しのぶ、堤真一、東山紀之、木村拓哉、宮沢りえ、綾野剛、藤原竜也、小栗旬、岡田将生、多部未華子、前田敦子……。5月15、16日、蜷川幸雄氏の葬儀には、世代や性別を問わず、実に多くの俳優・女優が参列しました。

英国名誉大英勲章第3位、米国ケネディ・センター国際委員会芸術部門ゴールド・メダル受賞など、まさに「世界のニナガワ」であった同氏。芸術性の高さとともに、演技指導の厳しさでも知られ、「口よりも手よりも先に、モノ(灰皿や靴など)が飛んでくる」と言われるほど、一般的には、「スパルタ式指導」のイメージが強い人です。

葬儀における小栗旬さんの弔辞では、「本当にお前みたいな不感症とは二度と仕事したくない、へたくそ、単細胞、変態、あ~君おじさんになったね、なんかデブじゃない? デブだよ、デブ。なあ、りえちゃん、そう思わない?……」などという蜷川氏の辛らつな言葉も紹介されました。

しかし、47年間・300作品という長きにわたる演出家人生を送られ、数多くの個性的な役者さんたちから、あれほどまでに感謝され、慕われ続けた演出家は非常に稀有な存在でした。蜷川氏の叱り方には、いったい何があったのでしょう。

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