次の大地震は伊予灘・薩摩西方沖を警戒せよ 予測のプロ・村井俊治氏が語る「熊本の次」
――地震学の専門家ではないのに予測を始めた経緯は?
定年退職2年後の2002年に、先輩の荒木春視・工学博士から、測位衛星のデータを使って地震予測ができそうだから一緒に研究しないかと誘われ、第二の人生のテーマだと考えた。2人で申請した「地震・火山噴火予知方法」の特許が2006年に認められた。そして2000~2007年に発生したマグニチュード6以上の地震162個全てを追跡調査した結果、期間はバラバラだが、地形に何らかの前兆が必ず起きていたことが判明した。
東日本大震災でも前兆を認めていたが、情報発信できないまま2011年の発生を迎えた。歯がゆさもあって2013年1月17日、阪神・淡路大震災の記念日に橘田氏とJESEAを立ち上げ、同年2月にメルマガ配信を開始。その後も大地震の発生を言い当て続けて評判を呼んだ。当初24人だったメルマガの個人会員数(月額料金は200円プラス消費税)は現在、5.5万人に達した。
熊本地震では「気持ちがブレた」ため直前で解除
――だが、熊本地震では2年前から危険性を指摘し続けたものの、間の悪いことに発生の約1週間前に注意情報を解除してしまった。
「気持ちがブレた」と言うしかない。異常があったら必ず地震が来るという信念を持っていたはずなのに、揺らいでしまった。2014年5月から出し続けてきた熊本・鹿児島周辺での地震発生注意情報は今年1月末まで、2月末まで、と何度も延長を続けたが、メルマガの4月6日発行号で解除した。
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