熊本地震は、なぜ「緊急災害」ではないのか

地震対応には「菅政権の亡霊」が見え隠れ

安倍首相が熊本地震の震災対策に慎重な理由とは?(写真:アフロ )

政府はTPP法案の今国会での成立を断念することを決めた。その背景には熊本地震の影響があるものの、野党側の攻撃にたじろぐ場面があったためだ。

ひとつ重要なポイントといえるのが、4月19日の衆院TPP特別委員会で政府がTPPに関する2013年の国会決議違反を公式に認めたことだ。

民進党の玉木雄一郎議員が「国会決議で守るとした“重要5項目”に該当する594のタリフライン(物品を貿易する時に分類した時、関税をかけることができる品目単位)のうち、関税削減も撤廃もしない“無傷”のものはいくつか」と質問したのに対し、森山裕農水大臣が「ない」と答えたのだ。

政府はこれまで「聖域死守」の成果を強調してきた。たとえば昨年10月20日の会見で森山大臣は、「TPP交渉の結果、農林水産品の総タリフライン数2328のうち443ラインについて関税撤廃の例外を獲得することができた。これは全体の19%を占めている」と述べ、「関税を撤廃しなかった割合が比較的高いカナダでも5.9%である中、我が国の19%は群を抜いて高い」と誇示している。ところがこれらがすべてウソだと判明したのだ。

18日に審議を再開したものの・・・

世界に先駆けてTPP法案を議会で通し、実績にしたい安倍政権。衆院TPP特別委員会は8日に止まったままだった。しかし、震度7だった熊本地震翌日の15日の委員会は取りやめになったものの、週明け早々の18日に再開したのは安倍晋三首相の強い意向があったためだ。

しかし、安倍首相の前のめり姿勢は頓挫。TPPは先送りされることになった。これを受けて参院は20日、今国会で特別委員会を設置しないことを決めた。

一方、気になるのが安倍首相の震災対策だ。当初から慎重な姿勢を貫いているのだ。

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