KITTE博多は、街の「欠点」を熟慮した新名所だ 九州初出店は21店、多言語化はもう当たり前
昨年10月の国勢調査で、政令指定都市のうち、神戸市を抜いて人口第5位になった福岡市。その勢いに弾みをつけるような新施設が、このところ博多・天神などに続々誕生している。
そのひとつが、先月末に開業を迎えた日本郵便株式会社の商業施設「KITTE博多」だ。九州初出店の店舗を複数備え、休日は館内への入場制限が行われるほどの盛況ぶりを見せている。5月2日には、早くも来場者数が100万人を超えた。
オープン初日は平日、かつ悪天候にもかかわらず、8万5000人を集めた。開店予定時刻の30分前には、すでに約600人が列を作っており、急遽開店を早めたほどだ。「実のところ、晴れたら3万人、雨なら2万人来ていただければと思っていましたが、蓋を開けてびっくり。まさに嬉しい誤算です」と、館長の立原英樹さんは語る。
これまでは「休憩場所」が圧倒的に不足していた
日本郵便にとって、今回のKITTEは東京・丸の内に続いて2番目のオープンであり、初の全館商業施設。そのコンセプトは「いい休憩をしよう」というもので、各階にカフェや休憩スペースが設けられているのが特徴だ。
「マーケット調査を行うと、『博多駅は人が集まる場所なのに、休むところが少ない』という声が多く聞かれました。当時はスターバックスも駅周辺の2店舗のみで、天神地区に比べても少なかった。そこで、博多に足りない『休憩場所』を作るというコンセプトで進めました」(立原さん)
博多駅は、山陽・九州新幹線と九州各地へ向かうJRの在来線、地下鉄、さらに市内および中・長距離バスのターミナルを擁する九州随一の交通基点。JRの乗客数だけでも1日当たり13万人を超え、そのほかの交通機関や商業施設の利用者等を含めると、かなりの人が行き交う場所である。
駅ビル「JR博多シティ」も買い物客や鉄道利用者、観光客など多くの人で賑わい、ビル内に数店舗あるカフェはつねにほぼ満席。席待ちの行列ができることも少なくない。たしかに休憩できる場所は十分とは言えない状態だった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら