KITTE博多は、街の「欠点」を熟慮した新名所だ 九州初出店は21店、多言語化はもう当たり前

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博多バスターミナルから西側のKITTE・JRJPビルまで、地下と2階のデッキでつながった

無事開業を迎えたが、ここがゴールではない。福岡市が進める「博多駅中央街地区 地区計画」の中の「博多駅南西街区」開発計画、その起爆剤として、先行で進められたのがKITTE博多の開発。今後この一帯で整備が進められ、通りを挟んだ場所には福岡市の観光バスターミナルも造られる。全体の開発が完了するまでには10~15年ほどかかる見込みだ。

現在、博多駅の東側にある博多バスターミナルから西側のKITTE・JRJPビルまで、地下と2階のデッキでつながったが、最終的には、観光バスターミナルまで信号待ちなく直行できるようになる予定だ。

ニーズの変化に対応し、変わり続ける

「人口の増加や地下鉄七隈線の延伸など、福岡には前向きな話題がたくさんありますから、街はこれからどんどん変わっていくことでしょう。この地区もすべての開発が完了する頃には機能や人の流れが変わり、KITTEに求められるものも変わっていくはず。ニーズの変化に対応していくことが、今後の優先課題です」(立原さん)

2011年、JR博多シティのオープンで人を呼び込み、その5年後である今年、KITTEの開業で再び注目を集めた博多エリア。一方で、九州最大の繁華街である天神エリアでは、2月から3月にかけてパルコやソラリアステージといった大型商業施設がリニューアルを行うなどの動きが目立った。今年5月からは「天神ビッグバン」計画の運用も開始され、今後天神でもビルの建て替えが加速する見込みだ。

博多と天神、進化しつづける二大都心が、今後も九州の発展を牽引していく形となるだろう。

田中 純子 ライター

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たなかじゅんこ / Junko Tanaka

福岡在住のライター。旅行業界、インテリア業界を経験後、情報誌のディレクターとして九州各地を担当。その後、医療機関の広報誌編集を経てフリーランスに。現在、「いつまでも輝き続ける生き方」をテーマに、学び・仕事・ライフスタイルを中心とした「心のアンチエイジング」を研究中。また、地方の伝統文化について海外に情報発信することを目標に、英語の再学習にも取り組んでいる。

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