解雇は当たり前、ニッポン雇用の修羅場

“美談”は遠い昔の話

「合計10回の面談で精神的に追い込まれ、自殺すら考えた」

NECグループで教育関連の職場で働く男性(44)は、今年5月から始まった退職勧奨を振り返る。

「君にやってもらう仕事はない」「残ってもどこの職場になるかわからない」。最初3回は直属の上司との面談だったが、4回目からは役員と人事担当者が現れた。その後7回、時に2時間を超える退職勧奨の繰り返しに、体重は5キログラム以上も減った。

東京労働局に申告したことで会社に指導が入り面談こそ止んだが、その直後、上司から罵声を浴びせられた。「お前は何をやったかわかっているのか、本社の人事も怒っているぞ」「お前に信頼できる仲間なんていないぞ」・・・。その後もサービス残業の強要などが続いているという。

執拗な退職勧奨も「あくまで希望退職」

「今回の退職勧奨の特徴はその執拗さだ」。男性が加盟する電機・情報ユニオンの森英一書記長は解説する。同社では従来、退職勧奨の面談はせいぜい2~3回だった。別の40代男性は、面談の中止を要請したところ上司から、「会社からは何度やっても良いと言われている、法的にも問題ない」と告げられたという(後に撤回)。同社グループの希望退職には2400人弱が応募したが、「今回募集したのは、あくまで希望退職。退職勧奨はしていない」(コーポレートコミュニケーション部)との見解だ。

東京商工リサーチの調べによれば、今年の上場企業の希望・早期退職者募集は10月末までに1万6000人を超えた。すでに昨年の倍で、リーマンショック後の2009年を超える可能性もある。募集人数が最も大きかったのが、半導体大手のルネサスエレクトロニクス。電機大手のNEC、シャープがそれに続く。

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