小学校低学年から高学年、そして中学生へ……。周囲に私学を受験する子も増える中で、わが子の成績や先々の進路がまったく気にならない親はいないだろう。どうすれば少しでもいい点が取れ、より上位の学校に進学できるのか。そもそも子どもにやる気を起こさせるには?
約25年にわたり学習塾を運営し、3000人以上の子どもを指導、成績向上に導いてきた石田勝紀氏は「心・体・頭のしつけ」をすることが重要と語ります。この連載では石田先生の元に寄せられた親たちのお悩みに答えつつ、ぐんぐん伸びる子への育て方について考えていきます。
【質問】
うちには中学生の子がいます。小学生の時は普通に宿題もして頑張っていましたが、中学生になると、面倒くさい、勉強して何になる、頑張っても一緒などと、否定的な言葉ばかりです。塾には自ら行きたいと言い、小学校の卒業前から通っていますが、このところ成績は下がる一方。全くやる気がありません。祖父母と同居しているのですが、祖父母からも怒られてばかりです。
私は、かつて勉強が好きではなく、学歴も低いのですが、やはり勉強は必要ではないかと大人になってから気づき、子どもには勉強の必要性、日々の勉強の仕方などをよく話しています。しかし、子どもと話し合いをするものの、最後はいつもけんかで終わり、途方にくれています。いったい、息子のやる気を引き出すにはどんな心構え、どんな声かけが大事でしょうか。(仮名:小林さん)
【石田先生の回答】
根性論を語っても意味がない
小林さん、ご相談メールをありがとうございます。お子さんは小学校のときは、普通に勉強していたものの、中学校になって否定的になっていったということですね。私が主宰する学習塾でも、そうしたお子さんが入塾してくることがあります。
そういうときに、親御さんに「やればできるようになるから励ましてください」「お子さんはきっとできるようになると信じてください」と言ったところで、何の解決にもなりません。実際、それができないから困っているという場合が少なくありませんね。
また、お子さんに「勉強の必要性、日々の勉強の仕方」お話されているということで、これはこれで重要なことではありますが、そもそも勉強に対して否定的になっている子に、いくら勉強の話をしても、火に油を注ぐがごとく、ますますやっかいなことになるのが関の山です。
子どもがこのようになっている原因は、実に複雑な要因が絡み合っており、学年によって、また男子と女子でも異なることがあります。それまで育ってきた家庭環境、学校の友だちまで要因は多岐にわたりますから、生徒一人ひとり皆、異なるわけですね。
しかしそうはいっても、共通することもあります。例えば、「小さい時から勉強に対してネガティブなイメージを植え付けられている」というものです。
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