新人女子に「酒作り」指示、これはセクハラ? 相手をさせられ激怒する女子に賛否両論
「いきなりセクハラされてかなり憂鬱な社会生活を送りそうな予感」。新入社員とみられる女性が投稿した、「セクハラと女性差別だらけ」の新入社員歓迎会がネットで話題になっている。
記事は4月7日にはてな匿名ダイアリーに投稿された。これによると、女性は先輩社員に「女の子たちはこっちこっち」と呼ばれ、「腹がキツそうな」専務の前の席に座らされ、焼酎を作るよう指示されたという。また、集合写真を撮る際も「女性はこっち」と、専務の側に近寄るよう言われたそうだ。
女性はこのときの気分を「なんで自分がオッサンに酒作ってやんなきゃならんの?」「ジジイどもが会社の金でキャバクラ気分味わってるだけじゃね?」と表現し、「同じことされたらセクハラで訴えて辞めたい」とつづっている。
ネットでは、「普通じゃん」「仕事だと思ってあきらめな」という声がある一方、「こういう職場まだあるのか。昭和かよ」と批判する意見もある。今回のような体験談は、セクハラに該当するのだろうか。古金千明弁護士に聞いた(以下、古金弁護士)。
「回数」もセクハラの判断材料
職場で行われる、労働者の意に反した「性的な言動」に起因するものはセクハラになります。不必要かつ過度な身体への接触や、性的関係の強要などは、原則セクハラです。性的な冗談、食事やデートに執拗に誘うといった、言葉によるセクハラもあります。
会社には職場環境配慮義務の一環として、セクハラを予防し、セクハラが発生した場合には適切に対応する義務があります。また、男女雇用機会均等法や「セクハラ指針」によって、セクハラ問題に対応すべき法律上の義務も負っています。
ただし、実際にセクハラに該当するか否かの判断は、ケースバイケースです。平均的な労働者の感じ方(主観)を踏まえ、一定の客観的な事実関係に基づいて判断されます。たとえば、意に反する性的な苦痛を伴う身体的接触の場合は、1回でもセクハラになる場合が多いでしょう。食事に誘うことは、1回だけではなかなか該当しないと思われますが、何度も断られているのにしつこく誘うとセクハラになり得ます。