ソウル市長「弱者に力を与えるのが行政だ」

弁護士、社会運動家出身の朴元淳氏に聞く

朴元淳(パク・ウォンスン)/1956年生まれ。弁護士、社会運動家。2011年からソウル市長で、現在2期目。韓国を代表する市民運動団体「参与連帯」の創設に参画、自らも市民団体を創設するなど社会・市民活動を背景に持つ

「行政には公平さや正義、公共性を保つことが根底にあるべきだと考えます。われわれの時代には貧富の格差など不平等が存在し、それが常に議論されてきました。貧しくて生活がきびしく、そこから脱却できない人たちに生きる力を与える。これこそが正義であり、行政がやることだと思う」

ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は5月1日、「ソウル新聞」との単独インタビューで、自らが考える「行政の役割」についてこう断言した。

そもそも、朴市長が政治の世界に身を投じようとしたきっかけとなったのが、世の中の不平等や政治における不正・腐敗に対する怒りだった。

朴市長は、2017年末に行われる次期大統領選では、野党側での有力候補の一人だ。だが、「ソウル市長として3選を目指す」ことを考えているという。彼は「大統領選やソウル市長選への出馬を考える前に、これまで市長としての権限を委任してくれた市民のために、任期までソウル市長職を全うする」と述べた。

大型事業よりも市民の福祉に重点

当記事は「ソウル新聞」掲載記事の日本語訳です

――ソウル市長として6年目、ソウル市での最大の変化は何か。

市民の生活の中に変化が浸透したことだろう。「ソウル市庁が、想像以上に仕事をしている」という話をよく聞く。ハードウェアからソフトウェアへ、物量と物質中心から人間重視へ、抽象的な大きな枠での議論から細かな政策の立案・実践へ、という原則に基づいて仕事に臨んでいる。

――「朴元淳の業績」と誰もが記憶して口にするような業績がない、との指摘があるが。

確かに、「すべての国民が知ることができるような、清渓(チョンゲ)川事業(ソウル中心部の開発事業。李明博前大統領がソウル市長時代に行った)のような事業を一つせよ」と、言われることがしばしばある。確かに、そうした誰もが記憶に残るような事業はないかもしれないが、市長の職務とは市民の夢を実現することだ。

私は、市民の福祉においてコペルニクス的転換が生じたと考えている。市民は実際の生活の中で、その変化を知ることになるだろう。たとえば青年層にとっては、青年手当のような青年向けの福祉政策を記憶してくれると信じている。ソウル市が打ち出す政策は、海外の都市からも、かなり注目されている。

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