勉強嫌いの子に教えたい!「Gノート」の威力 「退屈」は「面白い」に自ら変えられる

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ある小5男子が書いたノート。文字のグラフィック化から発展して、地図まで描いている

この写真は、小学校5年男子が社会の授業中にとったノートです。黒板には文章だけが並んでつまらなく、わかりにくかったので、自分でグラフィックにしてみたというものです。地図は、地図帳を観て描いたようです。そこに矢印で動きを、色でメリハリをつけたのです。

どうでしょう、本人が楽しんで書いているのが伝わってきませんか。字はきれいとは言えませんが、別にノートは人に見せるものではありませんので、自分で理解できればいいでしょう。

覚えることは後回しでいい!

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この子には、事前にGノートについて簡単に話をして、「もし授業中わかりにくい、面白くないと思ったら、図にしてしまうといいよ」と話をしただけですが、それを聞いて自分流に解釈し、この写真のように描いたのですね。感想を聞くと「結構面白い!他の教科でもやってみる!」と意欲的になっていました。

別にノートに書いた知識を覚える必要はありません。単純に、つまらなく見えていたノートを子ども自身の手で面白くしてしまうだけです。

これは絵を描くこととは異なるので、絵が上手、下手は関係ありません。誰でもできる簡単な“作業”です。これまで行ってきた数々の例では、特に中学2年~高校3年では効果が絶大で、受験勉強に威力を発揮しました。さらに大学生になってから、社会人になってから、たとえばつまらない文章羅列のレジュメをグラフィックにするなど、使えるツールです。

お子さんには、「ちゃんと授業のことをノートに書きなさい!」ではなく、「ノートをカラフルにして図にしてごらん!」と言ってみてはいかがでしょうか。きっと、やるとすぐに面白くなっていきます。すると、勉強をやっているという感覚が無くなり、いつしか書いてある内容がインプットされるという、嬉しい副産物まで出てくるはずです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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