東洋製罐とホッカン、「元サヤ」に収まる事情

包装容器トップ・東洋製罐のリストラが起因

握手を交わす東洋製罐HDの中井隆夫社長(左)とホッカンHDの工藤常史社長(撮影:今井康一)

それぞれ100年近い歴史がある、老舗の国内包装容器メーカー2社が”再び”一体となる。業界首位の東洋製罐グループホールディングス(HD)と中堅のホッカンホールディングスは4月25日、両社の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表した。

ホッカンHDの株主総会における承認や関係当局の認可を得ることなどを前提とし、2017年4月1日に東洋製罐グループHDを親会社、ホッカンHDを子会社とする株式交換を実施。ホッカンHDは上場廃止となる見込みだ。

両社の経営統合は今回が初めてではない。東洋製罐グループHD(当時、東洋製罐)は日中戦争下における1941年、経済統制強化に伴う製缶業者の大合同勧告に従い、ホッカンHD(当時、北海製罐)を含む7社を合併している。その後1950年、GHQ(連合国総司令部)の占領下で施行された過度経済力集中排除法を受け、旧北海製罐は東洋製罐株式会社から分離独立、再び北海製罐として出発した。それから半世紀以上が経った今、なぜ両社は元の鞘に収まるのか。

飲料メーカーがペットボトルを内製化

基本合意を発表した当日、都内で記者会見を開いた東洋製罐HDの中井隆夫・取締役社長は、今回の決断に関して「5つの理由」を挙げた。

それは、①飲料メーカーの業界再編、②飲料メーカーによるペットボトルの内製化、③海外輸入品の増加、④缶・ビンからパウチ・紙コップへのシフト、⑤アルミ圧延メーカーに見られる素材業界の再編だ。

①に関しては2015年にJTが飲料事業から撤退している。②の内製化比率はすでに6割以上とされ、③④は一部が十数年前から進んでいると見られる。⑤は2013年に古河スカイが住友軽金属工業と経営統合してUACJが誕生した影響が大きく、包装容器メーカーは仕入れ先に対する価格交渉力が弱まっているという。

中井社長は「このような状況の中、2015年4月からトップ同士で話し合い、2016年2月から本格的に動こうとなった」と説明。一方、ホッカンHDの工藤常史・代表取締役社長は、「東洋製罐HDが持つ強みの容器事業と、ホッカンHDが持つ強みの充填事業に関する両社のノウハウを融合させたい」と語った。

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