ブラジル、ルセフ大統領退陣ならどうなる?

下院で弾劾手続き可決、5月に上院で採決へ

4月18日、下院本会議の弾劾決議を受けての記者会見で、「私は戦い続ける」と対決姿勢を鮮明にしたルセフ大統領(AP/アフロ)

4月17日、ブラジルの議会下院(代議院)はルセフ大統領に対する弾劾手続きを可決した。今後は議会上院(元老院)において弾劾手続きの可否に関する審議が行われる。

一昨年後半以降の長期にわたる原油をはじめとする国際商品市況の低迷に加えて、中国経済がひと頃の勢いを失い、世界経済に下押し圧力がかかっている。なかでも、ブラジルの2015年の経済成長率は前年比マイナス3.8%となり、世界金融危機の影響が色濃く現われた2009年(同マイナス0.1%)以来のマイナス成長に陥った。

金融市場においては今年も2年連続でマイナス成長となるとの見方が根強く、そうなればブラジルにとっては世界恐慌以来の異常事態となる可能性が懸念されている。

背景はルセフ政権の経済政策に対する不満

こうした中、ブラジルでは政治を巡る混乱が表面化してきた。ルセフ大統領は2014年末の大統領選挙で辛くも再選を果たしたものの、長期にわたる景気低迷に対して有効な手立てを打ち出せていない。さらに、国営石油公社(ペトロブラス)を巡る汚職問題が政権及び与党労働者党(PT)の有力政治家に波及しており、政権に対する支持率は現状10%程度で推移するなど「警戒水域」に突入している。

2015年末に議会下院においてルセフ大統領に対する弾劾手続きに向けた検討が承認されたことで、ルセフ政権に対する国内外からの風当たりは一段と強まっていた。

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