また震災被害の日本製紙、今度は早期再開へ

八代工場の復旧を急いだ理由とは?

被災した八代工場ではコピー用紙も作っている

東日本大震災では主力工場の一つ、石巻工場(宮城)が津波で壊滅状態となり、製紙業界で最悪の震災被害を受けた業界2位の日本製紙。今回の熊本地震でも、熊本県八代市にある八代工場が被災している。

地震の影響により、紙を造る巨大設備である抄紙機(しょうしき)の全機稼働停止を余儀なくされた。4月15日中には4台ある抄紙機がいずれも再稼働に至ったが、16日未明の“本震”で再び全機が停止する。余震や悪天候が続く中で手こずったものの、19日には新聞用紙向け抄紙機を皮切りに再度の稼働へのメドをつけた。数日内に、4台すべての再稼働にこぎ着ける公算だ。

最初の抄紙機が再稼働するまで半年かかった石巻工場に比べ、八代工場の再稼働は数日単位。日本製紙は「同じ震災でも性質が違う。石巻は津波で動力部分が全滅し、がれきも流れ込んだ。石巻でも地震後は抄紙機を止めたが、津波がなければスムーズに再稼働できたはず」と説明する。

新聞用紙では九州唯一

日本製紙にとって、石巻工場と八代工場には復旧を急がねばならない共通点があった。

石巻工場は、印刷・情報用紙の生産量では、北越紀州製紙の新潟工場(新潟)や大王製紙の三島工場(愛媛)に次ぎ、国内有数の規模。中でも単行本、文庫本、コミック本向けなどの「出版用紙」は大きなシェアを誇る。

東日本大震災では、石巻工場同様に出版用紙でのシェアが大きかった三菱製紙の八戸工場(青森)も稼働停止となったため、『週刊少年ジャンプ』が発行延期に追い込まれるなど、出版業界に大きな影響を与えた。

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