一流大学を出ても出稼ぎ 若者から希望を奪う経済


 豪州南部のある食品加工工場で、台湾の若者が働いている。彼は27歳。台湾では超一流大学の清華大学経済学部を卒業した。

台湾の銀行で2年間働いたが、労働時間は長いうえに親への仕送り、さらには学資ローンの返済が重なり、貯金はわずか数万台湾ドル(1台湾ドル=約2・5円)。しかも、まだ約30万台湾ドルの学資ローンが残っている。カネを稼ぐために豪州へやってきた。

彼は台湾の若者の象徴であり、台湾経済の苦境を反映している。この20年、台湾はどこで道に迷い、経済を悪化させ、若者の希望を奪ったのだろうか。

豪州での彼の仕事は午後2時半から夜12時まで。巨大な工場の中でベルトコンベヤーの横に立ち、送られてくる冷凍羊肉の皮をはぐ作業を延々と繰り返す。この工場には同じ時間に600人が働いている。そのうち150人以上が台湾の若者だ。

彼は数年前、先輩たちから豪州でのワーキングホリデーについて聞いたことがある。仕事は大変だが数週間働いたら辞めて、稼いだカネで旅行するといったものだった。しかし彼が来たのは、人生経験を積むためでも、友人をつくるためでも、世界観を養うためでもない。目的はおカネを稼ぐことだ。

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