一流大学を出ても出稼ぎ 若者から希望を奪う経済

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仲介業者は中国人 病気を恐れる日々

現在、1万人超の台湾の若者が豪州でアルバイト生活をしている。彼らはおカネを稼ぐための「台湾人労働者」と自称する。彼の周りにいる台湾人は、誰もが彼と同じ目的だ。

時給は18豪州ドル(1豪州ドル=約80円)。1週間で800豪州ドルで、1年で125万台湾ドルになる。毎年100万台湾ドルの貯金は難しくない。おカネを稼ぎ続けるためには、豪州人がやりたがらない仕事を選ぶ必要がある。農業や漁業などが台湾人向けの仕事だ。多くが労力を使う仕事で、人手は不足している。豪州政府はこうした業種で3カ月以上働けば、ワーキングホリデーのビザを1年間延長できるとしている。

豪州で働く台湾人労働者には差別も待っている。給料の支払いをストップされたり、殴られたり、女性はセクハラを受けることもある。

豪州ではこの数年、アルバイトの台湾人が増えている。2011年にはワーキングホリデーでの訪問者は、07年比で5倍近く増えた。

台湾人の1人当たりGDP(国内総生産)は豪州の3割。一方、タイのそれは台湾の3割だ。豪州人が台湾人労働者を見る目は、台湾人がタイ人労働者を見る目と同じだ。タイやフィリピン、インドネシアなどの多くの若者が、台湾人のために働いている。一方、台湾人は豪州人のために働くだけでなく、中国人のためにも働いている。

台湾人労働者の家主の多くは中国人であり、仕事の仲介業者というケースもある。彼はこの中国人に毎月1万台湾ドル相当の家賃を払うほかに、1時間の仕事で1豪州ドルをコミッションとして差し引かれる。さらに、仕事場までの送迎に1日5豪州ドルを交通費として支払う。中国人業者は毎月2万台湾ドルを儲ける計算になる。

彼の下宿には10人が住んでいる。1部屋に3人。ここで最も怖いのは病気にかかること。健康保険がないため高額の医療費がかかるからだ。

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