上司と話が合わなくても、何も問題ではない 会社にとっての「いい人」は仕事ができる人

✎ 1〜 ✎ 91 ✎ 92 ✎ 93 ✎ 最新
拡大
縮小

世の中における悩みの大半は人間関係に起因する事です。相手や周りに合せようとして、本来の自分自身でないマスクを被った人間に自分がなればなるほどストレスが溜まるし、もやもやした違和感が付きまとうものです。周りが相手にしているのは演技をしている自分で、本来の自分自身ではないのですから、違和感を感じて当たり前です。

ましてや、会う相手やシチュエーションごとにそういったアバターを創れば創るほど本来の自分自身とはどんどん離れるので、あるときふと「一体自分は何をしたかったんだっけ?」と悩むことになるわけです。

そうならないためにはできる限り、自分が自分らしくいる事が大切です。過度に周りに合せるような事をしてはいけません。そう言うとよく、「それでは相手に嫌われてしまう」と言う方がいますが、そもそも根本の部分で合わない人と無理をして付き合う必要はありませんし、誰とでも仲良くするなどという幻想に無理がある事くらいは、大人であれば誰でも、少なくとも頭では理解しているはずです。

「いい人」とは仕事ができる人

J.Nさんの場合は業務における話は問題ないし、周りとそりが合わないわけではないという事ですから、恐らく業務遂行上の良好な人間関係は築けているのでしょう。それすらできないというのは、社会人として問題がありますが、今のJ.Nさんであれば会社における人間関係は今のままで十分です。

会社における「いい人」というのは、何も性格が良いとか外見が良いとかいう人ではなく、仕事のできる人です。会社という集団が仕事を成し遂げる事を究極の目標に据えている以上、仕事における能力が、もっとも重要なのです。どんなに性格が良かろうが何だろうが、仕事ができないと会社においては単なる困った人でしかありません。本人の自覚がどうであれ、周りは絶対にそのように見ています。

かといって、その困った人が仕事を離れた場所でも困った人かというと、全てのケースでそんな事はありません。友人や家族といった、違う集団に属している間は立派な人かもしれないわけですし、何も職場における評価がその人の人生における全ての評価ではありません。そのように考えると、何も無理をして常に周りに合せる必要もなく、とりわけ会社においては仕事を遂行するという意味において「良い人」にさえなれば、最低限をクリアしているし、全く持って問題はないと言えます。

次ページちなみに私自身は……
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT