駅弁がコンビニ弁当より高いこれだけの理由 1日20個限定の希少弁当、予約で熱々を提供も

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縮小
駅弁は多数の中小・零細業者の努力によって進化を遂げている(写真:YNS/PIXTA)
鉄道旅行に欠かせない楽しみである「駅弁」。最近はデパートでも気軽に買えるようになってきた。一方、コンビニやデパ地下の弁当もライバルとして台頭している。老舗の廃業や売り場の縮小が目立つ中、勝ち組の駅弁業者はどんな取り組みをしているのか。駅弁業界を取り巻く状況を検証した『ビジネスのヒントは駅弁に詰まっている』の著者・堀内重人さんに話を聞いた。

――この本を書こうと思ったきっかけは?

地方に行くと駅前はどこも「シャッター通り」になっていて活気がない。私は交通問題を専門にしているが、交通問題だけ考えていてはだめで、地域を元気にするにはどうすればいいかということを考えている。最近は「地産地消」が叫ばれているので、それだったら駅弁だと。駅で駅弁が売れるようになれば、駅に人が集まってくる。そういう形で駅弁について取り組んでみたわけです。

900円以上の弁当が過半数

――駅弁とコンビニ弁当の比較が斬新です。

みんな「駅弁は高い」と言いますよね。でもコンビニ弁当はどこでも同じものが売られていて個性がない。逆に駅弁の食材は地元の名産品だし、容器も個性的で。コンビニ弁当より値段が高くても差別化できている。

駅弁の成功例のひとつである崎陽軒の「シウマイ弁当」は駅売り以外にも百貨店や横浜スタジアムでも売ったりしている。そういう戦略が大事だし、ほかでも応用が効くはずです。

――そもそも駅弁がコンビニ弁当よりも高いのはなぜでしょう?

日本鉄道構内営業中央会のHP「駅弁のホームページ」に掲載されている駅弁659種の価格を見てみると、1001~1200円のものが191種で全体の約29%、901~1000円までのもの175種を含めると、全体の約56%になり、全体の半数を超えてしまいます。これでは500円前後で買えるコンビニ弁当と比べたら、高いという印象を受けるのは仕方がない。

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