FTの有料読者数、実は過去最大になっていた 新課金制度は何がスゴイのか?

拡大
縮小
フィナンシャル・タイムズの新課金制度が大きな成功を収めている(写真:DIGIDAY)
この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

2015年春から、英経済メディア「フィナンシャル・タイムズ(以下、FT)」は、従来からのメーター制課金(ソフトペイウォール)を止め、閉鎖型の課金制(ペイウォール)のトライアルを導入している。この課金制度変更に伴い、ユーザーが1ポンド(約160円)を支払えば、1カ月間すべてのコンテンツを閲覧できるようになった。

また、それと同時に、FTはソーシャルプラットフォームに対する方針も変更。グーグルやフェイスブック、ツイッターなどから訪問してくるユーザーのために、多くの記事を無料化したのだ。記事の無料配信は、2015年11月からアップルのニュースアプリ「News」でも展開している。

イギリス以外のユーザーに焦点

FTのB2Cグローバルマネージングディレクターであるジョン・スレイド氏は、同紙がこのような方針の変更を行った理由について、3年ほど前から続いている購読契約の低迷が原因だと語る。順調に成長を続けていたFTだったが、無料コンテンツの数を減らしてしまったため、購読契約数も激減してしまったのだ。

「我々には『リーチしてリターンする』という戦略がある」と、スレイド氏。「今回の課金制トライアルは『リターン(結果)』を最大限に伸ばしてくれ、購読契約数の上昇につながった。そして現在、我々はリーチを世界規模で広げたいと考えている。現在の購読契約の3分の2はイギリス国外からであり、可能性はこれまで以上にあると思っている」

次ページグーグル検索で流入したユーザーへの「特典」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT