「規模より効率を追求する」三菱UFJ銀頭取

「ビジネスモデルの変革を進めていく」

 4月4日、三菱東京UFJ銀行の小山田隆・新頭取は、ロイターとのインタビューで、今後は規模拡大よりも効率性を高めることで成長を実現させていくとし、ビジネスモデルの変革を進めていくと語った。都内の本店で先月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 4日 ロイター] - 三菱東京UFJ銀行の小山田隆・新頭取は、ロイターとのインタビューで、今後は規模拡大よりも効率性を高めることで成長を実現させていくとし、ビジネスモデルの変革を進めていくと語った。

小山田新頭取は、三菱UFJフィナンシャル・グループ社長を兼務していた平野信行・前頭取の後を受けて4月1日付で就任した。

小山田頭取はインタビューで、バランスシートの管理が重要だとし、貸出資産などのリスクアセットを自前で持ち続けるのではなく、投資家に販売していいくことで効率的な経営を進めていくと強調。

海外では、商業銀行業務を軸にしながら、米国やアジアで買収も検討する方針を示した。

 

主なやり取りは以下の通り。

 

――今後の方針は。

 

「日本をマザーマーケットにし、国内ビジネスをさらに強くしたい。加えてグローバルな成長の機会を取り込んでいく。この2つを進めていくのがミッションだ」

「海外では、商業銀行業務を徹底していく。米国とアジアで商業銀行を持っており、それぞれの地域の成長を取り込んでいく。地域に根をおろして、グローバルにつなげていく。アメリカとアジアでは機会があれば、さらなる買収も考えていきたい」

 

――規模の拡大を引き続き追う考えか。

 

「現在の中期経営計画でもアセットサイズは増える計画だが、過去と同じペースでどんどん伸ばしていくわけではない。全体のリスクアセットはコントロールしていきたい。貸出をすべてバランスシートに取り込むよりも、一定のサイズの下で資産を入れ替えながら、収益を上げる方向に向かっている」

「そのためにビジネスモデルを変えていく。海外では案件のオリジネーション(組成)とディストリビューション(販売)が大事になる。オリジネートして自分のバランスシートに抱えるのではなく、投資家に販売していく。すでにかなり、そのビジネスモデルができつつある。アセットの大きさとプレゼンスの大きさは、必ずしもリンクしていかない」

 

――海外での買収の考え方は。

 

「米国内では商業銀行として10位以内を目指す目標を掲げて、機会を探している。貸出のためのドルの預金調達力を上げていく必要がある。採算のいいアセットはしっかりブッキングするが、逆にそうでないものは売却し、入れ替えていく。米国は運営コストが上がっていくので、スケールメリットが取れる規模が必要だ」

「アジアはインドネシアが対象になる。成長力があり、人口構成もいい。タイミングを図りながら、機会を探っていく。欧州では、商銀の買収は選択肢に入っていない」

 

――米国で金融当局から、ガバナンスのぜい弱性を指摘された。

 

「基本的にはクリティカル(危機的)な状況にはないと思っている。ガバナンスをどう強化していくのか。全体として当局の目線も上がってくるので、前向きに対応することが重要だ。きっちりとした枠組みを作り、当局ともしっかりコミュニケーションしながら進めれば、十分対応できる。グローバルに横串を入れて体制を作っていく」

 

――マイナス金利導入の影響は。

 

「相応の規模で収益に対するインパクトがあるだろう。預貸金利ざや縮小の影響に加え、スワップやデリバティブなどでも制約が出てくる。それをどのように打ち返していくかが非常に大切だ」

「おそらく単年度で打ち返すのは難しい。中期経営計画の2―3年というレンジで、新しいビジネスモデルを進め、非金利収入を拡大する。いろいろと手を打つ必要ある」

 

――市場の運用ポートフォーリオには、どのような影響を与えるか。

 

「マイナス金利で円債のリスクは高まっている。どちらかというと外債に軸足を置く感じだ。リスク量でコントロールするのでいくらという目標は持っていないが、外債投資のウエートが相対的に高まっていくだろう」

 

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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