孫正義は「中学英語」で世界トップと交渉する

元社長室長が間近で見た「伝わる英語」

いちばん緊張する冒頭部分であえて簡単なセンテンスを使い、自分なりのリズムを作っていくのが得策(撮影:山田 雄一郎)

私はかつてソフトバンクの社長室長を務めており、常に孫正義社長のそばにいました。海外出張にも同行し、英語でスピーチする姿を何度も見てきました。

当時、私の英語力はあまり自慢できるものではありませんでした。そんな私でも、孫社長の英語スピーチは非常に聞き取りやすいものでした。なぜかといえば、孫社長の英語の発音は決して流暢ではなく、日本人なまりのわかりやすいものだったからです。スピードもゆっくりで、ネイティブのお母さんが自分の幼い子どもに話しかけるくらいの速さです。

また、英文はきわめてシンプルで、使っている英単語もやさしいものばかりでした。

それでも孫社長は世界のトップと互角に交渉し、こちらの要求を通しています。新刊『なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか――孫正義のYesと言わせる技術』では、孫正義の英語スピーチを徹底的に分析し50のポイントにまとめています。

初めの挨拶はできるだけ簡単な言葉で

Good Morning, and thank you very much.
(おはようございます。ありがとうございます)

これは、2014年に行われたCCAというアメリカの通信業界団体のイベントでの、孫正義のプレゼンテーションの冒頭部分です。

孫正義は、プレゼンテーションをする時間帯に合わせて最初にあいさつを入れます。午前中であれば「Good morning」、午後であれば「Good afternoon」、夕刻以降であれば「Good evening」です。

プレゼンテーションでいちばん緊張するのは冒頭部分です。冒頭でうっかり言い間違えたり言いよどんだりすると聴衆も心配になりますし、自分自身も動揺してしまいます。あえて簡単なセンテンスを使い、自分なりのリズムを作っていくのが得策だといえるでしょう。

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