それから、信頼性の問題がある。サンダースの誠実さは非の打ちどころがないと思われているが、一方クリントンは、誠実さを疑わせる理由を提供し続けている。彼女には感覚が鈍いと思える時があり、金に関する問題への大衆ムードに対しては特に鈍い。富裕層とそれ以外の人々の格差増大への怒りは年々強まっている。
選挙運動を始める少し前にヒラリー・クリントンは、ホワイトハウスを去ったとき、彼女とその夫は「無一文」だったと言った。もしそうならば、彼らはすぐに取り戻したということだ。つまり、ビルとヒラリーは1億ドルを優に超える資産を有すると見られるが、そのほとんどはケタはずれの講演料から得られた。
過去の米大統領と同様(ジミー・カーターは皆が知る例外だが)、クリントン家は彼らの名声と影響力を利用して財産を蓄えた。ビルが怪しい国際的人物とビジネスをしている間、ヒラリーはウォール街の企業を相手に講演して巨額の資産を築いた。それらの企業は、2008年の大不況を引き起こしたとして、大衆の怒りの的となっている。
これはサンダースに理想的な材料を与えた。彼はクリントンがゴールドマン・サックスから3回の講演で67万5000ドル稼いだ事実を指摘している。CNN主催の対話集会で司会者に、なぜそのような大金をゴールドマンから受け取ったのか聞かれて当惑したクリントンは肩をすくめ、こう答えた。「彼らが提供したからだ」。
また、オバマ政権の1期目に国務長官だった当時、セキュリティが確保されていない個人用サーバーを経由して職務上のメールを送信していたことが、2015年3月に発覚。この問題では彼女の判断能力が問われた。この件については現在、FBIによる捜査が行われている。
「初の女性大統領」も神通力なし
初の女性大統領となって歴史を作る可能性があることは、彼女自身やその陣営が期待したような効果は発揮していない。2008年には、多くの女性が、自分が女性であるというだけでクリントンを支持しなければならないと言われるのを嫌がった。
クリントンがニューハンプシャーの候補者選び第2戦で支持を獲得できた唯一の女性グループは、、年齢別で見て65歳以上だった。サンダースはそこで22%の差をつけてクリントンを敗った。
第3戦のネバダではサンダースが十分なアフリカ系米国人の票を獲得できなかったことが、クリントンに有利に働いたようだ。大統領選全体は、また少し違うものになりそうだが。
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