(第7回)ストレスに負けない心の持ちよう

(第7回)ストレスに負けない心の持ちよう

 

亀田高志

 これまで、ストレスを引き起こすストレッサーを小さくしたり、生活習慣を調整して、ストレス耐性を高める工夫を説明してきた。しかし、アメリカのサブプライム問題以降の深刻な経済不況の中で働くビジネスパーソンの現実は厳しい。将来の不安を抱えながら忙しく働く毎日で、ストレスを感じることが多いだろう。
そこで今回は、ストレスを感じる心のクセを自覚し、それを解消していく方法を紹介しよう。

●日本的美学はストレスに弱い?

 戦後から高度成長期に生まれ育った世代の、特に男性は「根性」や「精神力」を重視し、「文句や愚痴」を言わないのを美徳とする傾向があるようだ。また、女性でも男性でも、「竹を割ったような」性格は、さっぱりした気質として好感をもたれる。日常では「白黒はっきり」するような二者択一の決断を好む。「責任感」という言葉もよく聞く。困難に直面したら「やらねばならない」と力を込める。若い世代ならこのような上司や先輩の言動がストレッサーになることもあるだろう。
いずれも日本的な価値観や行動様式だが、実はストレス対処には逆効果なのだ。また、実はメンタルヘルス不調者に時々見受けられる傾向でもある。

おさらいになるが、ストレスとは「目の前の状況や問題に対処できないために起きる感情的な反応」のことである。ストレッサーを避けられないときに感情的な反応が起きる。
根性や精神力で耐えようとするとどうなるか? 感情的な反応は治まらないからストレスを溜め込む結果になる。文句や愚痴を言わないなら、発散できず、ネガティブな感情が消えない。
竹を割ったような振る舞い、白黒はっきりつけようという判断を好んだとしても、ビジネスの現場や現実のプライベートでの問題はそんなに単純ではない。上司の言うことがコロコロ変わることを「朝令暮改」と揶揄する。しかし、高度情報化やグローバル化が進み、ビジネスのスピードは高度成長期に比べて格段に速い。現代のビジネスでは判断を常に修正しなければならない。上司の指示は刻一刻と変わるのが当たり前だから、いちいち腹を立てていては身が持たない。
やらねばならない!と義務感にとらわれる時には、ストレスがより強く感じられる。スポーツでもそうだが、力むと結果はよくない。生産性を向上させる要求が限りないのに、義務感ばかりでは、職場のストレスはより強く感じられるだろう。

 

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