(最終回)強いストレスを受けたときの対処

(最終回)強いストレスを受けたときの対処

亀田高志
 高度成長期からバブル崩壊以降も耳目を集める様々な出来事があったし、暮らしの中でビジネスパーソンはそれに応じてストレスを感じてきたはずだ。しかし、近年の出来事は戦後の日本で認識されてきたものとは異質に見える。
 例えば、第1次世界大戦の際に多くの人命を奪ったスペイン風邪に匹敵する可能性のある新型インフルエンザの大流行が訪れようとしている。日本の人口の3割以上が感染し、そのうち2%が重症化する。死亡するのは感染した200人に1人程度と想定されている。死亡率の増加や、大きな流行の波が2回、3回と1年以上も継続することが懸念されている。
 今後、日本のビジネスパーソンは、従来のレベルとは異なる、想定外の強いストレスを経験する確率が増えている。とても強いストレスは一気に生産性を下げ、不調を起こす誘因となる。従って、突然、遭遇する強いストレスにも上手く対処する必要があるのだ。

強いストレスを受けた場合の影響

 ショッキングな出来事に遭遇した後、それを繰り返し思い出したり、その出来事を想起させる状況を避けようとする、あるいは神経が高ぶり不眠や不安の症状を起こすことがある。この状態を精神科的には「急性ストレス障害」と呼ぶ。薬物による治療やカウンセリングを受ける必要があるが、1カ月未満で回復することも多い。
 しかし、これらの状態が1カ月以上続いた場合には「心的外傷後ストレス障害」、いわゆるPTSDと診断される。悲惨な戦争の体験、犯罪被害、交通事故や自然災害での被災等や、家庭内暴力、性的虐待でも発症することが知られている。1年(12カ月)という期間での、このPTSDを持つ患者の割合は、日本人の0.6%であることを示した研究がある。アメリカで3.5%、EUでは1.9%であり、これより少ないが、看過できない割合である。
 いずれにしても、日常生活や仕事に影響するに違いない。職場での出来事が引き金となって不調が起きても、担当者だったとしたら、出来事への処理に追われるかもしれない。そうすると、個人としては大変な状態に置かれてしまう。

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