人が日本一集まる街・福岡の「タグ付け」戦法

原点は反骨心、高島市長の"異色"地方自治

今や世界から人が集まる福岡(写真:UG / PIXTA)

これは意図したことでもあるのですが、成長戦略で需要を生み出したものの、次に起きたのは供給力不足。これまでの想定をはるかに超える役割を、福岡市は果たさなければいけない。次のステージへ向かうときが来た、これが今スローガンに掲げる「FUKUOKA NEXT」。都市の供給力をつけ次のステージへ進むチャレンジです。

具体的には、滑走路を増設する、展示場を整備する、クルーズ船の2隻同時着岸を可能にするなど港湾機能を強化する。さらに自動運転やエネルギーマネジメント、ICTなどを活用し、高齢社会を見据えたスマートシティのロールモデルを創る。こうして都市機能の強化、更新を図ります。

それからね、これ、本当は言いたくないんですが、超世界的な企業が福岡に拠点を置きたいという話をお断りした例がありました。すごくいい話だったんですよ。でも、ワンフロアで、それだけの従業員が入るオフィスが欲しいという希望に沿えなかった。

こういった絶好の機会を絶対に逃さないためにも、福岡の中心・天神エリアにおいて、10年間で30棟のビルの建替えを促進し、新たな空間と雇用を創出するプロジェクト「天神ビッグバン」を進行させています。

行政が行使すべきは「規制を緩和する権限」

――どうやって進めるのでしょうか?

行政がおカネを使って課題解決するというのは、もう時代遅れ。プロジェクトのカギは「規制緩和」です。

福岡市は国家戦略特区に指定されています。特区で勝ち取った航空法の高さ制限の特例承認によって天神地区ではおよそ2フロア分高くビルを建築することができるようになりました。この緩和と福岡市独自の容積率の緩和、さらには、一定の規模を上回るビルに課せられた駐車場を設置する義務、これを緩和して設置を免除したり、設置場所を都心の周辺部にすることを認める、こうした規制の緩和を組み合わせ建て替えを誘導する。

そうすれば床面積が増え、これまでは駐車場にしなければならなかった1階や地下に賃料を取ってテナントを入れられるようになり、かつ耐震強度も増す。オーナーとしては建て替えによって大きなメリットを得られるのです。

ただ新しいビルができるだけではつまらないので、人が歩いて楽しい街を目指します。公開空地があって、週末にはいろんなイベントがあって、緑やベンチがあって。そんな潤いのある、ドラマが生まれるような街にしていくって、素敵ですよね。これも行政がおカネを出すのではなくて、「こんな緑にしたら、こういう公開空地を作ったら、これだけ規制の緩和を追加」というふうに誘導していく。

要は、行政が持つ「規制する権限」ではなく、「規制を緩和する権限」を使って民間活力を引き出すのです。早くニーズに応えられるように10年というリミットを設け、スピード感を持って進めていきます。

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