人が日本一集まる街・福岡の「タグ付け」戦法

原点は反骨心、高島市長の"異色"地方自治

――海外でも積極的に活動されて、2014年には都市の幸福に貢献した市長を称えるWorld Mayorにノミネートされました。世界でトップセールスをする狙いは。

日本では今後、人口減少に伴いマーケットが縮小する。対外的に存在感のない街は間違いなく生き残れず、外に目を向けなければならないという長期的な視点がまずあります。

次に、九州という視点で見たとき、陸海空の玄関、つまり駅や港、空港がすべて半径2.5km圏内に集積する、世界的にも珍しいコンパクトシティなんです。九州のハブである福岡の存在感を高めることが、九州の発展にも大きく寄与していくことになるわけです。

現状として、海外では東京・大阪・京都・広島・長崎くらいしか知られていない。遠慮して、いいことやっていれば知ってもらえるというのは日本だけの感覚であって、海外では誰もが我先にと前へ出ます。発信をしないと、存在しないのと同じ。ですから、私は国内はもちろん、できるだけ国際的な場にも出て、福岡の存在をアピールしています。

国際舞台では「若さ」がアドバンテージに

きちんと発信すれば、福岡には世界に誇るべきものがたくさんある。例えば、世界トップレベルの漏水率の低さや、「福岡方式」という世界に普及するゴミ処理技術があったり。世界都市フォーラムがイタリアのナポリで開かれたとき、休憩時間にルワンダのキガリ市の市長さんが来られて、「福岡方式を取り入れてから街がとてもきれいになった」と、うれしそうに話してくれました。

国際会議に出ると出席者は高齢の男性ばかりで、私の若さが際立ちます。私が話を始めただけでざわめきが起こり、皆顔を上げて聞いてくれる。そして前職で鍛えた、圧倒的プレゼン力で追い打ちをかける(笑)。地元では若さや元キャスターという立場ゆえに悔しい思いをしたけれど、今は逆に、国際会議の場では、他人に真似できない強みになっています。

ここに歴代の市長のお顔が並んでいます(と、市長応接室にズラリと飾られた肖像画を見回す)。年齢を重ねられて落ち着きのある先輩方の後に私の顔が並ぶのは、違和感があるでしょ? でもこれから50年後100年後にこの並びを見たとき、時代はここで変わったとわかってもらえるはず。

これだけグローバルな時代に生きているので、先人が培ってきた素晴らしい福岡を世界に発信することで福岡の存在感を高めたい。それがひいてはグローバルなマーケットを拓き、九州全体にも大きく寄与していけると思っています。

――この5年で、うまくいかなかった部分はどこでしょう?

まずはとにかく交流人口を増やすために、観光プロモーションを展開して、国際会議やスポーツ大会を誘致して、Wi-Fiを全国に先駆けて整備して。人を呼ぶためのあらゆる仕掛けを講じてきました。

その結果、福岡はどうなったか。国内外からたくさんの方にお越しいただき、今はホテルが足りない、オフィスビルが足りない、コンベンションのための施設が取れない……。毎年数十件お断りしていて、年間最大で190億円もの経済損失がある。空港では1本だけの滑走路が日本一の混雑具合で、新しい国際線を受け入れることが難しい。こんな状況に陥っているのです。

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