ブリヂストン、円高でも増益を狙う次の一手

6000億円のキャッシュの使途がカギになる

新興国のタイヤ需要が落ち込む中で、米国での販売好調がブリヂストンの業績を牽引した

ブリヂストンの快進撃が、今期ついに止まるかもしれない。同社は2015年度まで6期連続で営業増益を続けてきたが、2月17日に発表した2016年度の営業益予想は「横ばい」だった。

同社の業績を牽引するのは北米だ。ブリヂストンとファイアストンの2ブランドをうまく組み合わせ、幅広い品ぞろえを確保。直営販売チャネルを張り巡らし、きめ細かい顧客サービスも提供している。2015年度の米州のセグメント利益は2225億円に達し、ついに日本の1974億円を上回った。

グローバルでは、新興国を中心にタイヤ需要は決して強くない1年だったが、米国は別世界だった。2015年の米国の新車販売台数は1747万台と過去最高を記録。ガソリン価格の下落もあり、ピックアップトラックなど大型車の売れ行きが好調だった。タイヤの原料となる天然ゴム価格の下落や円安効果も享受し、グループ全体の営業益は5172億円と過去最高を更新した。

円高で410億円の減益要因に

しかし、2016年度は追い風がやみ、逆風が吹きつける。頭が痛いのは円高だ。今年度の為替前提は1ドル=115円と、前期実績の121円から6円の円高を前提に予算を作成。為替だけで410億円の減益要因となる。原油安で引き続き原料コストは下がる見通しだが、減価償却費が190億円増加する。販売数量が増えることに伴い、販売管理費も400億円程度膨らむ計画だ。ただバッファーとして販管費は多めに見積もっているという。

為替以外で懸念なのは、鉱山用の超大型タイヤの販売状況だ。資源メジャーに食い込んで大幅な悪化は免れているものの、工場の稼働率が落ちていることは否めない。特に国内工場は人員配置を見直すなど、鉱山用以外のタイヤへの生産シフトを進めている。また、2015年に稼働予定だったタイ工場は需要が回復するまでは稼働延期の状態が続いている。

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