「非正社員の多い」500社ランキング2016 1位イオンは24万人超、日本郵政が2位に

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1位はイオン。大勢の雇用を生み出している(撮影:尾形 文繁)

パート、アルバイトや派遣で働く非正規労働者の数が高止まりしている。総務省の労働力調査によれば、非正規で働く人は昨年12月で2038万人。全雇用者の38%と10年前の30%前後から増えている。2014年11月に初めて2000万人を突破。その後、さまざまな産業で人手不足が指摘されても、なかなか正社員は増える傾向にない。

東洋経済オンラインは昨年に続き、上場企業で働く非正規社員の実態を調査した。その実態を探るカギの一つが、上場企業が発行する有価証券報告書(有報)にある。有報にはいわゆる「非正規社員」が「臨時従業員」として規定され、その数が全従業員数の1割以上を占める場合、年間の平均人員を開示することが義務付けられている。

今回の調査では昨年から調査対象数を増やし、一般事業会社だけではなく、銀行、証券、生保、損保などの金融業界も加えた。そして、第1弾として、「非正社員が多い」トップ500社を掲載する。ここでは、非正社員の絶対人数が多い会社を上位から並べた。参考データとして従業員数、非正社員比率、5年前の増減率も併載したので参考にしていただきたい。

ランキング1位は昨年版に続いてイオン。総合スーパー(GMS)最大手だ。非正規社員の数は24万人となり、昨年から2万人以上増えた。人手が必要な小売業ではセブン&アイ・ホールディングスも9.3万人で4位に入るなど、ランキング上位で目に付く。イオンの場合は、従業員数の多くは国内での雇用なので、正規、非正規とも雇用主としての存在感は大きい。

ランキングの2位には日本郵政が入った。日本郵政には多くの非正社員が働いていることは、東洋経済オンラインの「日本郵政、念願の上場後に待ち受ける懸念」(2015年8月31日配信)で指摘したとおりだ。

有価証券届出書には、セグメント別の詳細が記載されているのだが、日本郵政の各事業の中でも、郵便・物流事業で雇われている人数が最も多く、11万2399人が雇われている。全国各地に配送する、きめ細かい配送事業を支えているのは、非正社員の力によるところも大きい。

人数の多さだけでなく、どれだけ非正規社員へ依存しているかという点も重要となる。製造業は会社の規模が大きいので、非正規社員数も多くなる。しかし、非正規比率に注目すると、他の業種に比べ依存度は低い。例えば、ランキング5位のトヨタ自動車は、8.5万人の非正社員を雇用しているが、非正規比率でみれば、20%以下にとどまっている。

比率に関しては、全業種とともに同じ業種で比較することで企業の依存度を明らかにできると考える。こうした業種別の非正規社員への依存度の違いについては、別の機会に紹介しよう。 

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