東京TY社長「オリンピック前に勝負がつく」

地銀のトップは常に再編を考えている

マイナス金利政策に対処するには、「金利競争にならないビジネスモデルを工夫するしかないが、すぐ真似されてしまうので、工夫し続けなければならない」と柿崎社長(撮影:梅谷秀司)

東京TYフィナンシャルグループの柿崎昭裕社長(東京都民銀行頭取も兼務)が4月1日付けで味岡桂三取締役に次の時代を託すことを決めた。2012年に東京都民銀行頭取に就任して以来、八千代銀行との統合を決め、東京TYフィナンシャルグループを設立。東京都から新銀行東京を引き受け、同時に都と包括業務提携を結ぶなど、矢継ぎ早に戦略を繰り出してきた。再編にかけた想いを聞いた。

 

――4月1日付けで、味岡桂三取締役を新社長とする人事を発表した。6月の総会を待たずにバトンタッチすることを決断したのはなぜか。

2014年10月に八千代銀行と東京都民銀行が東京TYフィナンシャルグループを設立してから、1年以上が経った。今年4月には新銀行東京が経営統合に加わり3行体制となる。さらに2017年度中をめどに3行の合併を行うことを目指して、具体的な準備を進めている。これに新たな体制で取り組みたいと考えた。

また、マイナス金利政策の導入やマーケットの変動など環境は激変しており、東京圏における金融機関の競争も激化している。こうした変化に迅速に対応し、首都圏の地域銀行としての存在感を発揮するためには、持ち株会社と子銀行の役割の明確化も必要と判断した。そこで、持ち株会社社長と東京都民銀行頭取の兼務をやめ、新たにそれぞれ代表取締役を決めた。

「常陽、足利統合」でさらにスピードアップ

――味岡さんは日本銀行出身。日銀出身者のトップ就任はこれまで東京都民銀行ではなかったのでは。

味岡新社長は、東京都民銀行の支店長も経験し、役員としての経歴も長く、次のステージに向けて最も適任だと判断している。東京TYFG設立時より統合作業において常に最前線で陣頭指揮を取り、今回のワンバンク体制への移行にあたってもその中心となって取り組んでもらっている。リーダーシップを強く発揮できる人材で、人望も厚い。これからの新たなステージに向かって、皆を引っ張っていけると確信している。

ワンバンク体制への移行を磐石な新体制で実現するとともに、首都圏においてナンバーワンの都市型地域銀行の実現を目指してもらいたい。

――当初、東京都民銀行と八千代銀行はしばらく合併はしないという説明だった。なぜ、急いでワンバンクを目指すことになったのか。

4月から新銀行東京も加わる中で、新銀行東京は1店舗しかないので、合併を検討するとしていた。そこへ、昨年、常陽銀行と足利銀行が統合を決め、持ち株会社の本社を東京におくという話が持ち上がった。これがきっかけだった。そうでなくてもすでに多くの地銀が東京に進出してきて、合従連衡も含めて競争が厳しい状態だ。システムの統合を含め経営の効率化を進めるにはワンバンクにしたほうがよい。スピード感持って攻めの経営ができる。そう判断した。2020年の東京オリンピックの前の年までには勝負がつくだろうと思っている。

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